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2021/06/07

改正航空法 ドローンのレベル4飛行可能に

 ドローンの機体認証制度と技能証明制度(操縦ライセンス)を導入する改正航空法が6月4日の参院本会議で可決、成立した。ライセンス保有者にレベル4(有人地帯の目視外飛行)のドローン飛行を認める。国土交通省は今後1年半をかけ両制度の制度設計を進め、2022年度中のレベル4でのドローン飛行の実現を目指すことになる。
 今回の改正では、22年度にレベル4での飛行を実現するため、機体の安全性に関する認証制度(機体認証)と操縦者の技能に関する証明制度(操縦ライセンス)を創設した。合わせて、飛行の安全性を確保する運航管理ルールを法令で明確にする。
 技能証明制度は、1等ライセンス(レベル4)と2等ライセンス(レベル1〜3)の二つに分け、国が学科・実地試験を行って操縦者の操縦技能を担保する。機体の種類・飛行方法に応じて操縦範囲を限定。国の指定を受けた民間試験機関が試験事務を実施できるようにする。民間講習機関が実施する講習の修了者は試験の一部、または全てが免除される。技能証明の有効期間は3年。
 ただ、空港周辺や高度150b以上、イベント会場上空などの飛行にはライセンスの等級に関わらず国交省の許可が必要となる。
 航空法では、15年に許可・承認制度、20年に所有者と使用者の登録制度を創設するなど、ドローンの飛行環境を段階的に整備している。これまで飛行を認めていたのは、レベル1(目視内での操縦飛行)、レベル2(目視内の自動・自律飛行)、レベル3(無人地帯の目視外飛行)までで、レベル4(有人地帯の目視外飛行)の飛行は認めていなかった。
 建設関連の測量や点検業務で活用しているドローンは、大半がレベル4に該当せず、レベル1〜3によるもので、今後もライセンスを取得する必要はない。ただ、認証を受けた機体をライセンス保有者が操縦する場合、国土交通省の飛行許可・承認が原則として不要になる。
 これにより国交省は許可・承認の申請件数が9割ほど減少すると見込んでおり、行政手続きの合理化にもつなげる。

建通新聞社