国土交通省は、6月中旬に直轄工事で「オンライン電子納品」の一部運用を開始する。各地方整備局などで7〜8件ずつ実施し、システムの不具合などを確認・調整の上、今秋から原則全工事で適用していく考えだ。
オンライン電子納品は、工事や業務の成果品をインターネット上で納品できるようにするもので、受注者が情報共有システム(ASP)に登録した成果品を発注者が確認。発注者の承認後、成果品のデータが「電子納品・保管管理システム」に自動で登録される仕組み。
全工事への適用に向けては、6〜7月を工期末に設定している地方整備局などの一部工事で運用を開始する。その後、7月下旬にいったん一部運用を完了し、8〜9月にかけて、操作性や、通信・クラウド環境の負荷など、システムの不具合を確認・調整した上で、今秋の本格運用を目指す。
ただ、現場条件によってデータをオンラインで送ることができないような場合、従来の電子媒体(CD−Rなど)による納品も選択肢として残すとしている。
同省では、2001年度から直轄事業での電子納品(電子納品保管管理システム)の運用を開始。受注者が調査・設計と工事の成果品をCD―Rなどに格納し、発注者に納品してきた。オンライン化によって、受注者側の電子媒体への格納や郵送の作業負担を軽減するとともに、受発注者が成果品をASPで共有できるようにし、作業効率や品質の向上につなげる。
6月1日に行われた「オンライン電子納品に関する説明会(WEB)」には、整備局、受注者、ASPベンダーなどが参加。オンライン電子納品の目的やシステムの概要、電子納品の流れ、一部運用における各段階の作業手順などを確認した。
本省の担当者は、一部運用開始がオンライン電子納品のキックオフになることや、不具合が発生しても受注者やASPベンダーに非がないことを説明した。
提供:建通新聞社