国土交通省・総務省・財務省は、公共工事の発注者を対象とした、入札契約適正化法に基づく実施状況調査(2020年10月1日時点)の結果を発表した。調査結果によると、全ての都道府県、政令市が週休2日モデル工事を「実施している」と回答する一方、市区町村での実施は7・3%(125団体)にとどまった=図参照。
入契法に基づく同調査は、国交省、総務省、財務省の3省が全ての公共工事の発注機関を対象に実施しているもの。今回の調査には、国19機関、特殊法人など124法人、地方自治体1932団体(47都道府県、20政令市、1721市区町村)が回答した。
改正品確法では、「休日、準備期間、天候等を考慮した適正な工期の設定」が公共工事の発注者の責務と位置付けられている。また、適正化指針では、適正な工期設定で発注者が考慮する事項の一つとして「公共工事に従事する者の休日(週休2日に加え、祝日、年末年始・夏季休暇)」が規定されている。
しかし、工期を設定する上で、公共工事に従事する技術者・技能者の休日に考慮していると回答した市区町村は、前回調査より増加したものの、726団体(42・2%)と5割にとどかず、週休2日モデル工事について「具体的な取り組みを実施していない」と回答した市区町村は1339団体(77・8%)に上った。
休日に考慮している都道府県は前回調査から変わらず45団体(95・7%)、政令市は2団体増え19団体(95・0%)となり、引き続き、市区町村での遅れが目立った形だ。
また、昨年7月に中央建設業審議会が作成・勧告した「工期に関する基準」を考慮している団体は、国の機関で5割ほどあったが、全体では3割にとどまった。考慮する割合は団体の規模に比例し、小さいほど考慮されない傾向にあった。
一方、ダンピング対策では、低入札価格調査基準価格と最低制限価格のいずれも導入していない市区町村は94団体から88団体に減少。ダンピングやくじ引きによる落札を招く恐れがあるにも関わらず、低入札価格調査基準価格を全案件で事前公表している自治体は、都道府県で2団体(4・3%)、政令市でゼロ、市区町村で46団体(5・8%)あった。
最低制限価格の事前公表(全案件)は、都道府県で2団体(4・5%)、政令市で1団体(5・0%)、市区町村で133団体(8・8%)だった。
調査基準価格などで最新の中央公契連モデルを基準とする市区町村は200団体超増えたものの、全体では依然、5割にとどまっている。
提供:建通新聞社