国土交通省は、災害復旧を迅速に実施するための「災害復旧における入札契約方式の適用ガイドライン」を初めて改正した。工事・業務双方の入札適用条件を明確化。随意契約の適用例を表にまとめた他、技術提案・交渉方式、事業促進PPPなどの契約方式について最新の知見を反映した。自治体に対しては、入札契約方式の適用における直轄事業と自治体の災害復旧工事との相違点をわかりやすくした。5月13日付で地方整備局に通知済み。自治体には発注者協議会などで地方整備局を通じて周知を図る。
今回の改正では、入札契約方式ごとの適用の考え方を工事と業務に分け、より詳しく記載した。
随意契約については、適用できる工事・業務の例を、「被害状況把握」「応急復旧」「本復旧」の三つに分類し、それぞれ具体的に示した。
分類別での工事の適用例は、「被害状況把握」が緊急パトロールや緊急点検など。「応急復旧」が道路啓開、がれき撤去、河川管理施設(堤防など)の復旧など。「本復旧」が仮復旧状態の堤防復旧など=表参照。
改正品確法に位置付けられた調査・設計業務についても、災害復旧での随意契約・指名競争・一般競争などの適用条件を記載した。
また、自治体が災害復旧の入札契約方式を円滑に選定できるよう、発災から復興に至るまでの入札契約方式選定図(フロー図)を記載。
事業促進PPPについては自治体で適用する場合の留意点を明示。発注者の体制に応じて、受注者が行う業務内容の検討が必要になるなどとした。
大規模災害における入札契約方式の適用事例は内容に変更はないが、別冊化する形で、ガイドラインをスリム化。ガイドラインと異なる周期で迅速に知見を反映できるようにした。
当初のガイドラインは2017年7月に策定された。早期着手が求められる災害復旧について、緊急度や受注企業の体制に応じた入札契約方式選定の考え方を示している。災害発生時の入札契約に関する対応全般の留意事項は「国土交通省直轄事業における災害発生時の入札・契約等に関する対応マニュアル」に別途記載している。
提供:建通新聞社