国土交通省は、次期(第5次)社会資本整備重点計画案をまとめた。環境基本計画との関係性、地域の企業・住民との連携の必要性をより明確にし、計画期間内(2021〜25年度)に取り組むべき重点施策を示した。重点施策の到達目標(KPI)に素案から変更はない。主なKPIでは官庁施設の耐震化や旅客施設のバリアフリー化で100%を目指すこととしている。
素案からの主な変更箇所は、六つの重点目標のうち、「防災・減災が主流となる社会の実現(重点目標1)」で、流域治水推進に当たっての地元企業・住民との連携の必要性を記載。複合災害による被害のじん大さ、交通ネットワークの多重性・代替性などリダンダンシー確保の必要性を追記した。
さらに「持続可能なインフラメンテナンス(重点目標2)」では地域住民との連携、「インフラ分野のデジタル・トランスフォーメーション(重点目標5)」でインフラ関連データの共有・連携強化の必要性を追記した。
25年度末までにKPI100%を目指す主な重点施策は、官庁施設の耐震化、旅客施設のバリアフリー化の他、▽主要鉄道の耐震化率▽予防保全型による施設修繕率(道路舗装、河川、下水道、空港、鉄道、自動車道、公園、官庁施設)▽直轄国道高架区間の避難場所整備率▽海水侵入防止対策が必要な航路標識の整備率▽建設キャリアアップシステム活用工事の導入率▽3次元計測データを活用した3次元河川管内図の整備率―など。
脱炭素関係のKPIについては、今後、地球温暖化対策計画で指標の追加・修正が行われた場合、見直す。
社会資本整備重点計画は、社会資本整備事業を効率・効果的に推進するために策定するもの。現行計画が20年度で終了することから、21年度を初年度とする次期計画を示す。重点施策に対する具体的なプロジェクトは、今後策定する地方計画の中に盛り込んでいく。
提供:建通新聞社