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中央ニュース

2021/05/07

手形・小切手の全面電子化 全銀協が行動計画

 手形廃止を求める政府の方針を受け、全国銀行協会(全銀協)が手形機能の電子化に本腰を入れる。4月には2026年度までの全面電子化を見据えて産官の検討会を設立。決済関連の手数料見直しや、紙の手形の廃止に伴う事業者の一時的な資金繰り支援などの方策を議論し、今夏に金融機関としての自主行動計画をまとめる。
 手形機能の全面電子化は、手形の利用廃止を求める政府方針を踏まえた取り組み。金融機関と日本経済団体連合会をはじめとした経済団体、経済産業省など関係省庁で構成する検討会を設置し、電子的な決済サービスの普及促進策をまとめる。新たな決済手段に対する補助金など政府の施策も盛り込む。建設業をはじめ手形の利用が多い産業界への働き掛けも検討する。
 手形に代わる電子的なサービスとして全銀協が普及に取り組んでいるのが、全銀電子債権ネットワークが運営する「電子記録債権」(でんさい)だ。ただ、国内に所在する中小企業のうち、でんさいを契約しているのは約26%。契約率が6割を超えている大企業との差は大きい。
 中小企業に手形からの移行を促すため、でんさいの利用環境の改善が今後の課題となる。22年度には発生日から支払期日までの期間短縮や、債権金額の下限の引き下げを予定。さらに、インターネットバンキングの導入が困難な企業もでんさいを利用できるスキームも検討していく。

〈建設業向けに初のセミナー〉

 全銀電子債権ネットワークは、でんさいのさらなる普及に向けて建設企業やその関連企業を対象としたオンラインセミナーを5月26日に初開催する。でんさいの基本的な仕組みや、建設業界での普及状況、活用事例を解説する予定だ。募集は先着順で定員は500人。申し込みはでんさいネットウェブサイトのフォームからで、期限は5月24日。

提供:建通新聞社