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2021/05/06

ICT施工 コスト縮減の必要性指摘

 財務省は4月30日に開いた財政制度等審議会財政制度分科会の歳出改革部会で、i−Constructionを公共工事のコスト縮減につなげる必要性を指摘した。ICT土工には、ICT建機のリース料などの追加経費を上乗せする積算基準が導入されている。ICT建機が普及すればコスト低下が想定されていたものの、同省は「導入後5年を経過しても費用は下がっていない」と強調。i−Constructionに伴う現場の生産性向上により、「コスト縮減を着実に進めるべき」と求めた。
 国土交通省が2016年度から本格実施したICT土工では、追加で経費が必要になる建機のリース料や初期導入経費を発注者が負担。土工量1万5000立法bの場合、施工コストを従来施工の1・1倍とする積算基準が導入されている。
 i−Constructionの目的は、建設業の労働力不足を生産性向上で補うことにあり、当初からコスト縮減が目的にはなっていないが、国交省もICT建機の普及によって将来的にコスト縮減が見込まれるとしていた。財務省は、依然として労務費の減少分を機械費の増加が上回り、5年が経過してもコストが低下していないことを問題視。コスト縮減の視点をi−Constructionにも取り入れるよう求めた。
 この他、財務省は、公共事業の事業評価の在り方についても問題視。維持管理費を費用便益分析(B/C)の対象に追加する他、新規事業採択時の事業費が増加し、再評価時のB/Cが下振れする傾向にあるとして、慎重に新規事業採択時評価を行うよう求めた。
 また、道路事業の将来交通量、港湾整備事業の貨物量についても、事業完了後に下振れする傾向にあるとして、新規事業採択時のB/C算出時に「過大な便益計算を行ったと言える」とも指摘している。

提供:建通新聞社