定期点検で56カ所の亀裂が確認された国道30号伊達橋について亀裂原因の解明と適切な補修方法について検討を進めてきた伊達橋補修検討委員会(谷口健男委員長)の第6回会合が19日に岡山国道事務所で開かれ、未対策となっているニーブレースと下弦材接合部・支承部補剛リブの亀裂対策を審議了承するとともに、モニタリングによる監視結果などを踏まえ恒久対策と対策後の管理方針など承認した(写真)。
横桁と垂直材接合部に生じた亀裂の当て板補修は完了。待ち受け工、格点部補強でリダンダンシーはすでに確保済み。経過観察中だったニーブレースと下弦材接合部および支承部補剛リブにある亀裂の疲労耐久性向上対策として、ニーブレースと下弦材接合部は支承追加、部材補強。支承部補剛リブはピンチプレート取り替えで対応。7基の増設横桁を新設するほか、既設のニーブレースや下横溝の取り換えなどの恒久対策を想定している。岡山国道事務所では今後対策工の詳細設計などを固め、維持工事のなかで夏場の早い時期までには対策を終えたいとしている。
対策完了後まで維持管理マニュアルに基づき毎月1回の近接目視点検を行うほか、既設モニタリングシステムを改良。万が一に備えてビデオカメラによる監視を継続、震度3以上の地震発生時には緊急点検を実施。完了後も5年ごとの橋梁定期点検(次回は2018年度)とビデオカメラによる監視を継続するという。
これまでのモニタリングの結果、橋の応力状況は年間を通じて安定していることが確認されており、大型車の走行がある状況でも目立った変動は見られず、大型車の迂回(うかい)要請等を解除した場合も直ちに安全性が損なわれることはないと評価。委員会では上記の管理体制を構築することとして同日午後4時をもって要請解除とした。委員会は今回で終了。
(提供:建通新聞社)