国土交通省岡山河川事務所は、高梁川直轄河川改修事業(小田川合流点付替え事業)に向けて、小田川付替設計業務を建設技術研究所(岡山市)に委託して開始する。履行期間は2017年3月17日まで。
小田川は河床勾配が高梁川と比べて緩いため、洪水時に高梁川との合流点で流下が妨げられ流域一帯で浸水被害が生じる要因となっていることから、河道を柳井原貯水池などを経由するルートに付け替える。合流点の付け替えに先立ち支障となっている丘陵部を除却する必要から、小田川の右岸を通る県道下原船穂線のルートを一部迂回(うかい)させるため、現在の合流点より上流側に250b前後の仮の締切堤防を新設し小田川を高梁川本川に合流させた上で、その後に仮締切堤防の下流側で護岸や県道の付け替え作業などを進めるという工事手順を想定している。
今回委託する主な業務は貯水池右岸側に建設する堤防護岸と護岸に沿って新設する2車線の県道バイパス、下流左岸側の合流点付近の堤防護岸についての詳細設計。延長は右岸側堤防護岸がJR新幹線第1船穂トンネル坑口付近から上流区間約970b、護岸沿いの県道バイパス約1080b、下流左岸側堤防護岸約810b。
現在、締切堤防詳細設計(建設技術研究所)と付替え河道検討外(日本工営)をそれぞれ外注しており、護岸や施設の詳細・予備設計をはじめ全体施工計画修正検討や河道検討、多自然型川づくりの検討作業などが同時進行中だ。
当面、18年度以降に上下流部の合流点付近で仮締切堤防に着手していくスケジュールを想定している。付け替え河道は延長3・4`で川幅約200b。計画高水流量毎秒2300立方b。総事業費は280億円、事業期間は着手後10年程度を見込んでいる。
(提供:建通新聞社)