東京都住宅政策本部は辰沼町アパート(足立区)の建て替えで、新たに2Kの間取りを試行導入する。既存の14棟646戸を解体して9棟625戸程度の新住棟を整備する計画で、皮切りの1期で建てる3棟166戸のうち59戸を2Kにする。介護者の滞在やひとり親世帯の入居などを理由に、単身世帯から居室数の増加や面積の拡大を求める声が上がっていたため。他の建て替えでも2Kを試行導入することを考えている。
辰沼町アパートの所在地は足立区辰沼1ノ2(敷地面積約3万6900平方b)。1971年〜75年に完成した5階建ての14棟646戸の住棟が立っている。
全体を5期に分けて「辰沼一丁目団地」に建て替える。新しい住棟は鉄筋コンクリート造の9棟625戸程度を計画。付帯施設として2棟程度の集会所や、自転車置き場、ポンプ室、ごみ置き場などを設ける。
2023年7月に1・2期の建て替えの対象となる単身世帯にアンケートを実施。従来の1DKと新たな2Kのどちらを希望するか聞いたところ、約7割が2Kを選んだ。
そこで、既存の2・3号棟を解体して建てる1期の3棟166戸のうち59戸を2Kにする。住民アンケートでは1期の対象となる45世帯が2Kを希望していた。エーシーエ設計(千代田区)が11月14日までの納期で実施設計を担当。続く2期で建てる1棟104戸に2Kを導入するかどうかは未定としている。
住宅政策本部はまた、24年10月に文花一丁目アパート(墨田区)でも2Kの希望などを聞くアンケートを実施した。アンケート結果は今のところ明らかにしていない。
文花一丁目アパートは、墨田区文花1ノ30他にある既存住棟を段階的に「文花一丁目団地」へと建て替えている。23年度に4期以降の基本設計を浦野設計(千代田区)に委託し、24年度の修正基本設計も同社が担当。1965〜66年完成した13〜32号棟の20棟921戸を取り壊し、鉄筋コンクリート造で13棟945戸程度の新住棟を建てる計画だ。
提供:建通新聞社