東京都港湾局は、再編整備を検討している調布飛行場の施設配置案を明らかにした。老朽化が進む管理事務所兼管制塔などを建て替える他、新たに格納庫と災害対応施設、利用者利便施設を整備する考え。2025年度中に施設配置を含む整備方針を取りまとめ、26年度以降に地質調査や測量などに着手する見通し。3月13日に開いた学識者を交えた検討会の会合で示した。
調布飛行場(調布市西町290ノ3、敷地面積38万9546平方b)には、鉄骨造4階建て延べ546平方bの管理事務所兼管制塔(1982年完成)や鉄骨造2階建て延べ1442平方bのターミナルビル(2013年完成)が立っている。
都が運営するようになってから30年がたち施設の老朽化が進行。防災機能を求められるなど社会情勢が変化する中で飛行場の役割も変わったことも踏まえ、再編整備することとした。
これまで地元の自治体・住民や空港関係者へのヒアリングを実施。都は把握した意見に対する対応方針をまとめるとともに、それを反映した施設配置とゾーニングの案を示した。
建て替えるのは管理事務所兼管制塔と電源局舎、消防車庫。既存施設の近接敷地を利用して、管制塔兼管理事務所を皮切りに順次建て替えていく。
格納庫は定期便のための整備にとどまらず、調布飛行場に格納庫のない航空機使用事業者が自社用を整備できるようにする。
さらに、緊急物資を備蓄する災害対応施設や、島しょ・多摩地域の特産品を食べたり買ったりできる利用者利便施設を建設する。
ゾーニング案では、ターミナルビル周辺を▽管理施設の再整備▽利便増進▽道路駐車場▽公園▽定期便格納庫整備―のエリアとした=図。災害対応施設と航空機使用事業者向け格納庫の整備エリアは敷地内の別の場所に配置している。
25年度に開く次回の検討会で施設整備などに対する提言を得て、同年度内に施設配置などを盛り込んだ整備方針をまとめる予定だ。
提供:建通新聞社