東京都住宅供給公社(JKK東京)は2025年度の第1〜2四半期に「(仮称)カーメスト大蔵の杜」の第2期で住棟を建設する工事の希望制指名競争入札手続きを始める。24年度の2度にわたる入札が不調だった案件で、世田谷区大蔵に4棟総延べ床面積3万平方b超で563戸の住棟を建てる。3度目となる今回の手続きに先立ち、大まかな金額を約120億円(税込み、以下同)と見積もり、工期を約38カ月と設定した。24年度の不調を踏まえ、金額面や技術者配置などの対応を今後検討していく。電気と給排水は別途発注する。
カーメスト大蔵の杜は、JKK東京が1959年から63年にかけて建設した大蔵住宅(世田谷区大蔵3ノ1他、敷地面積約11f)を建て替える形で整備する。既存の大蔵住宅は30棟1264戸の大規模団地で、敷地の中央を国分寺崖線が南北に貫いている。
全体を4期に分け、居住者の仮移転先を団地内に確保しながら建て替えを進めている。22年7月に第1期の5棟381戸を完成させた。
第2期住棟は、鉄筋コンクリート造の既存住棟7棟を解体した跡地に建設する。具体的には▽1号棟=鉄筋コンクリート造12階建て延べ8976平方b・158戸▽2号棟=同造14階建て延べ9930平方b・168戸▽3号棟=同造9階建て延べ9949平方b・161戸▽4号棟=同造9階建て延べ4742平方b・76戸―の4棟総延べ床面積3万3417平方b・563戸。付帯施設の集会所を建設する他、擁壁築造や道路整備も行う。
市浦ハウジング&プランニング(文京区)が基本・実施設計を手掛けた。
2024年8月に開始した1度目の入札手続きは参加者なしで不調。参加形態は建築の単体または2〜3者JVで、単体とJV代表者は経営事項審査総合評定値が1600点以上、JV第2構成員は1300点以上、JV第3構成員は1100点以上であることを条件としていた。予定価格は110億7367万8000円、工期は28年1月19日までだった。
2度目の入札手続きは24年11月に開始し、参加した1社の辞退により再び不調になった。参加形態を建築の単体または2者JVに改めるとともに、単体とJV代表者の経営事項審査総合評定値を1400点以上、JV第2構成員を1100点以上に緩和していた。予定価格は9億5951万9000円増の120億3319万7000円、工期は28年4月4日までとしていた。
第2期では別途、建て替えによる創出用地を活用して、サン・ビジョン(名古屋市東区)が高齢者施設を、三篠会(広島市安佐北区)が障害者施設をそれぞれ整備・運営する。26年の3月から4月にかけて順次開設する予定となっている。
さらに後続の第3期で既存の240戸を約200戸に、第4期では既存の150戸を約120戸にそれぞれ建て替える計画だ。
〜年間発注予定の公表を早期化〜
JKK東京は年間発注予定の公表時期を見直した。これまで当該年度分を5月、下半期分を10月としてきた公表時期を早め、受注者に技術者や資材などを確保するための見通しを立てやすくしてもらうのが狙い。これに伴い、まずJKK住宅の建設工事・空き家リニューアル工事に関する25・26年度の発注予定を3月4日に公表。今後、JKK住宅の営繕工事を4月、都営住宅の営繕工事・除却工事を5月中旬〜下旬に公表する予定でいる。
公表時期の見直しに併せて、工期・金額の大まかな範囲を公表事項に加え、より具体的に発注内容を確認できるようにする。営繕工事は住宅名だけの表記から工事件名に変更し、発注単位を明確に示す。一定の時期に公表内容の見直しを行って、最新の情報を確認できるようにもする。
提供:建通新聞社