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建通新聞社(東京)
2025/03/03

【東京】設計を来年度 多摩北部医療センター建替え

 東京都立病院機構は、東村山市にある多摩北部医療センターを設計・施工分離発注方式で建て替え、免震構造で延べ床面積約3万3000平方bの新病棟などを建設する方針だ。2025年度に基本設計や地盤調査、測量を発注し、29年度に新病棟などの建設工事に着手。33年度ごろの運用開始を目指す。税抜き概算事業費を309億円と見積もった。
 2月27日に公表した整備基本計画の案で明らかにした。新病棟の規模は免震構造の8階建て延べ床面積3万2510平方b程度で、現病院と同様に337床程度の病床数とする予定だ。また、併せて建設する保育所の規模を耐震構造の平屋390平方b程度と想定している。
 概算事業費309億円の内訳を見ると、▽建設工事費=280億円▽職員住宅などの解体費=4億円▽外構工事費=15億円▽設計・工事監理費=10億円―と試算している。
 建て替えに当たり、従来の設計・施工分離発注方式だけでなく、DB方式やECI方式、PFI方式も選択肢に含めて検討。ただ、専門的な知識や高度な技術的要件を求める整備内容がないことや、不調リスクを回避することを理由に設計・施工分離発注方式の採用を決めた。
 25年度に基本設計や地盤調査、測量などを発注し、27年度にも実施設計を開始。29年度から新病棟と保育所の建設工事や外構工事を進め、33年度ごろに運用を開始したい考えだ。
 久米設計(江東区)が整備基本計画の策定支援業務を手掛けた。
 多摩北部医療センターの所在地は東村山市青葉町1ノ7ノ1。病院本館の規模は鉄骨鉄筋コンクリート造地下1階地上6階建て延べ2万5016平方bで、337床の病床を設けて25科目の診療を行っている。敷地内には職員住宅A棟(鉄筋コンクリート造4階建て延べ2537平方b)や職員住宅B棟(鉄筋コンクリート造地下1階地上5階建て延べ2177平方b)といった建物もある。
 多摩老人医療センターとして1986年に開設。現在は約75万人の人口を抱える北多摩北部医療圏(小平市、東村山市、清瀬市、東久留米市、西東京市)の地域中核病院だ。
 これまで主要な設備の大規模改修を行っておらず、耐用年数を大幅に超過しているため漏水や汚水排水管・冷温水管の腐食が発生。天井・壁タイルの劣化も確認しており、施設や設備が時代のニーズに合わなくなっていることから、道路を挟んで既存病院と隣接する敷地(面積5万4000平方b)に新病棟と保育所を建設する。建設に先立ち、同敷地にある職員住宅は除却する。提供:建通新聞社