東京都中央卸売市場は市場機能の強化などに向けた施設整備で、2025年度に淀橋市場の新総合事務所棟(仮称)を新築するための準備工事などを行う。25年度当初予算案に6000万円を計上した。26年度に本体工事をスタートさせる方針だ。また、板橋市場の青果エリア施設新築に伴う基本設計などで25年度当初予算案に2億1000万円を計上。28〜30年度に本体工事を実施した上で、30〜31年度に既存の市場棟を全面改修する考え。
淀橋市場(新宿区北新宿4ノ2ノ1、敷地面積2万3583平方b)は1939年に開設した。取扱品目は青果。老朽化した総合事務所棟の建て替えに併せ、狭隘(きょうあい)な敷地を有効活用して加工・パッケージエリアの整備を進める。
市場事業者の東京新宿ベジフル(新宿区)が1月に自動立体冷蔵倉庫(鉄骨造平屋1500平方b)の新築工事を始めた。大河原建設(静岡県島田市)の施工で12月の完成を予定している。
これに続き、都が敷地南側の待機駐車場エリアに新総合事務所棟を新築する。2025年度の準備工事などを経て、26年度から5階建て延べ床面積7140平方b程度の施設を建てる。大建設計(品川区)が基本・実施設計を手掛けた。
新総合事務所棟の供用開始後、29年度から既存の総合事務所棟を解体する。正門付近にある巡視詰所と西門付近のごみ置き場の建て替えも計画している。
一方、板橋市場(板橋区高島平6ノ1ノ5、敷地面積6万1232平方b)は1972年に開設。主に青果と花きを取り扱っており、市場棟や花き棟、管理棟など総延べ床面積5万1440平方bの施設がある。
流通団地型の市場の中で最も古く老朽化が進行。このため青果エリアの施設を新築するとともに、既存の市場棟に全面改修を施す。加工設備などの整備は都が建物の構造体を、各事業者が内部の仕上げや設備をそれぞれ担当する「スケルトンインフィル」の考え方で進める方向。冷蔵庫などの既存設備は必要に応じて移転・撤去する。パシフィックコンサルタンツ(千代田区)への業務委託を通じて24年度内に基本計画をまとめる。
25〜26年度に基本・実施設計を進めながら、26年度に先行して青果エリアに屋根を新設する工事に着手。27年度に荷さばき場など軽微な構築物の解体を行って、28〜30年度で新施設を建設する。その後、30〜31年度に市場棟を全面改修し、32年度に管理棟を解体するなどして33年度の全工程完了を目指す。
提供:建通新聞社