トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社(東京)
2025/02/21

【東京】中野区 JVと単体の混合入札を試験導入

 建設資材や人件費の高騰、人手不足といった社会情勢の影響で大型公共工事の入札不調が相次ぐ中、中野区は不調の防止と発注業務を円滑に進めるための対策に乗り出す。予定価格が一定金額を上回る工事で、義務付けている共同企業体(JV)結成の要件緩和と、発注形態を決める際の基準額の見直しが柱。JVを結成する要件を緩和し単体企業との混合入札を認める取り組みは3月から、基準額の見直しは4月以降に公告する案件からそれぞれ適用する。
 同区では建築で予定価格3億円以上、設備で1億円以上の大型案件を発注する場合、区内業者の受注機会確保と工事施工能力の向上を目的にJV結成を義務付けている。1983年から適用してきた現行制度だが、近年は工期が長い大規模工事を毎年発注する状況が続き結果的に入札参加者が1者(1組のJV)のみとなることもあり、公共調達の原則である競争性が働きにくくなっている。
 相対的にAランク業者が少なく、JV編成の難しさを指摘する業界の声もあるが、人手不足などの状況を踏まえると、こうしたJV結成義務が区内業者に入札参加を見送らせる要因になっていることも予見される。このため、区内業者に限った単体企業とJVの混合入札を認める取り組みを試験的に導入することにした。3月に公告する案件から適用する方針だ。
 一方、建設業法の改正により技術者の専任義務が生じる基準額もこの2月から引き上げられた。建築一式で予定価格9000万円以上、それ以外で4500万円以上の工事で専任義務が生じることになるが、これに合わせて区の発注標準金額も見直す。価格競争だけで落札者が決まる希望制指名競争入札の発注標準金額を、建築で1000万円、建築以外で500万円引き上げ、それぞれ9000万円未満と4500万円未満にする。価格と技術力などを評価して落札者を決める一般競争入札総合評価方式では、建築の標準金額を9000万円以上、建築以外を4500万円以上とし、4月以降に発注する案件から適用する。提供:建通新聞社