東京都は5月15日開催予定の都市計画審議会に、千住大川端地区のまちづくりと丸の内仲通り南周辺地区の建て替えに関わる都市計画変更案を付議する。千住大川端地区には約2100戸の住宅などが、丸の内仲通り南周辺地区では先行街区に劇場や美術館を含む延べ床面積17万平方b超の複合ビルがそれぞれ建設される予定。また、首都高速1号羽田線・羽田トンネルや同都心環状線・築地川区間の更新に伴う都市計画変更案も諮る。
千住大川端地区の区域は足立区千住関屋町・千住曙町各地内の面積約8・5f(変更後)。区では隅田川のスーパー堤防や道路、避難場所の整備と併せて、良質な住環境の整備など適切な土地利用転換を誘導するまちづくり計画を定めている。
土地利用転換の動きが具体化したことを受け、地区計画にB〜C地区(区域面積約5・2f)の整備計画の追加などを行う。B―1〜3地区とC―1〜2地区に分けて、高層マンション4棟(29階建て〜地下1階地上38階建て、総戸数約2010戸)とサービス付き高齢者住宅(10階建て、約90戸)、商業施設(地下1階地上2階建て)の合計6棟を建設する。2025〜28年度の1期工事で高層マンション2棟とサービス付き高齢者向け住宅、商業施設の4棟を、続く28〜33年度の2期工事で高層マンション2棟を建設する予定。事業に携わる▽東京製鐵▽岡田商事▽東武鉄道▽旭化成不動産レジデンス▽三井不動産レジデンシャル―の5社と足立区が1月に「住宅等の整備に関する協定」を結んだ。
丸の内仲通り南周辺地区は、JR有楽町駅西側の皇居外苑に隣接する面積約5・7f。事業主体の三菱地所と東宝、出光美術館、ちよだ基盤開発が、A〜Dの4街区に分けて老朽化したビルを建て替える。このうち帝劇ビルがあるA街区(約1・4f)の建築計画が具体化したため、都市再生への貢献内容を評価して、容積率の最高限度を1500%に変更する。
A街区に建設する複合ビルは地下4階地上29階建て延べ床面積約17万6000平方bで、事務所や商業施設、劇場、美術館などを設ける。26〜30年度の工事に併せて周辺道路の再編も行う。さらに、28〜42年度で東⻄地下通路の整備やJR有楽町駅との接続工事を進める。
首都高速1号羽田線・羽田トンネルの更新では、トンネルに老朽化対策を施すとともに、既存のバイパス路を活用して3車線の上り線を整備する。これに伴い大田区東糀谷6丁目〜昭和島1丁目の延長約1・6`区間で一部車線数の変更や区域の変更を行う。首都高速道路会社が25〜38年度で事業を実施する予定になっている。
首都高速都心環状線・築地川区間の更新については、掘割の擁壁を造り替える中で付加車線を設置するとともに、蓋掛けを行って道路上部空間の活用を図る。中央区銀座4丁目〜築地1丁目の延長約0・3`区間で道路空間の拡幅が必要となることから一部区域を変更する。首都高速道路会社が25〜35年度に事業を実施する予定だ。
当日の都計審にはこれらの他、平河町二丁目地内(千代田区)と柳原二丁目地内(足立区)の用途地域や、都市計画道路3・4・3号高井戸小平線(武蔵野市)の変更案を付議する。
提供:建通新聞社