東京都は渋谷区・神宮前5丁目地区の都有地を活用したまちづくりに官民連携手法の導入を想定している。4カ所で合計約4・5fの都有地のうち、国連大学のある1カ所を除いた3カ所の合計約3・8fに定期借地権を設定して民間事業者に開発してもらう方向。都立中央図書館の移転や劇場機能の配置などを念頭に、3カ所の一体的な活用を推進するため、基本的には1者に施設の整備・運営を任せたい考え。事業者決定後に事業者と都、専門家らでプロジェクトマネジメントチームを立ち上げて施設計画などを協議・調整する他、完成した施設で時代の変化と多様化するニーズに応じた機動的なプログラム提供や運営を展開していく方針だ。
神宮前5丁目地区の都有地は▽旧こどもの城▽都職員共済組合青山病院跡地▽国連大学▽コスモス青山―の4カ所で合計4・5f。2022年度に有識者をメンバーとする「まちづくり検討会」を設置して、都有地の一体活用に向けたまちづくりの方向性を議論してきた。
12月25日の第4回会合で、地区の軸となる機能として、港区にある都立中央図書館を移転・新築する方針を明らかにした。今までの枠組みを超えた「新しいタイプの図書館」にするため、人々の創造や交流の場を設けたり、五感で体験できる展示などを行ったりすることをイメージしている。
また、カフェ・レストラン、体験スペースのある劇場や、女性活躍支援、起業支援、緑地・広場といった機能を設ける。国連大学については、現在地で引き続き活動し、まちづくりに協力するとの意向を持っている。
1月27日に開いた第5回会合でまちづくりの方針(案)について協議した。今後、委員の意見を取りまとめてパブリックコメントを実施し、正式な方針を策定した上で事業者の選定手続きなどを進めることになりそうだ。
提供:建通新聞社