東京都は、善福寺川上流地下調節池の整備に着手する。1月22日付で国から都市計画事業認可を得た。杉並区内の環状8号線などの地下に容量約30万立方bの調節池を建設する計画。実施設計段階から施工会社が参画するECI方式を都として初めて採用し、鹿島・大成JVが技術協力業務を手掛けており、価格などの交渉が成立すれば2025年度にも工事契約を結ぶ。調節池の本体工事を35年度をめどに完成させ、付帯施設の建設や設備工事などを行って、41年度に事業を完了させる予定。
善福寺川緑地(杉並区成田西3丁目地内)に発進立坑を設け、環状8号線や青梅街道、五日市街道などの地下を通って杉並区立関根文化公園(同区上荻4丁目地内)に設置する到達立坑に至る延長約5・8`の地下トンネル式を整備する。
地上の道路幅員に合わせてトンネル内径を7・5〜9bと変える必要があることから、「親子シールド工法」を採用する方針。大口径・大深度で急曲線施工が多いといった条件も踏まえ、都で初めてECI方式を試行することにした。
パシフィックコンサルタンツ(千代田区)が2月28日までの履行期間で手掛けている詳細設計に、鹿島・大成JVの技術提案を反映させる。ECI方式で契約する工事費は、技術協力業務に関わる公募型プロポーザルの公表段階で、1000億円程度と見積もっている。
善福寺川は、杉並区の善福寺池を源として杉並区内を南東に流れ、中野区との区界で神田川に合流する流域面積18・3平方`、河川延長10・5`の1級河川。
提供:建通新聞社