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建通新聞社(東京)
2025/01/16

【東京】24年の建設業労災 死傷、死亡ともに減少

 厚生労働省東京労働局がまとめた管内の労働災害発生状況(2024年12月末現在速報値)によると、建設業では24年の1年間に925人が休業4日以上の労働災害で死傷し、うち11人が死亡した。前年に比べ死傷者数は64人少なく、年間を通して前年同月を下回った。死亡者数も5人少なく、24年9月以降増えていない。4月上旬の確定まで変動が見込まれるものの、死亡者数については最終的に20年の12人を下回って過去最少になる可能性も出てきた。
 死傷した925人の業種別内訳は建築工事業が621人(1人減)、その他の建設業が159人(31人減)、土木工事業が145人(32人減)。いずれも前年を下回る中で、その他の建設業と土木工事業がそれぞれ30人以上減った。
 事故の型別では「墜落、転落」が272人(38人減)で最も多いものの、前年より40人近く減って300人を切った。これに「転倒」の114人(11人増)や「はさまれ、巻き込まれ」の113人(10人増)、「切れ、こすれ」の83人(16人増)、「飛来、落下」の同じく83人(20人減)、「動作の反動、無理な動作」の69人(9人減)などが続いている。
 このうち死亡した11人の業種別内訳は建築工事業が6人(4人減)、その他の建設業が3人(前年と同数)、土木工事業が2人(1人減)で、建築工事業と土木工事業が減少した。事故の型別では「はさまれ、巻き込まれ」が3人(2人増)、「高温・低温の物との接触」も3人(前年と同数)。他は▽「激突され」=2人(1人増)▽「交通事故(道路)」=1人(1人増)▽「飛来、落下」=1人(1人減)▽「墜落、転落」=1人(4人減)―となっており、「墜落、転落」が前年の5分の1まで減少した。
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 東京労働局管内の建設業労働災害は死傷者数がコロナ禍の20年と21年に978人(確定値)、死亡者数が20年に12人(確定値)となって最少を記録。ただ、死傷者数は22年から増え続けて1000人を超えていた。死亡者数は21年と22年に2年連続で20人以上に増えたものの、前年の23年は減少に転じて17人にとどまった。
 24年は12月末現在の速報値ながら死傷者数、死亡者数のいずれも過去最少。一度に複数人が死傷する前年の事故などを受けて東京労働局が労働災害防止対策の徹底などを業界に要請し、業界も取り組みを強化したことが減少につながったとみられる。コロナの5類移行に伴うコミュニケーションの活性化やハーネス型安全帯の浸透なども減少要因に挙げられそうだ。提供:建通新聞社