国土交通省官庁営繕部は1月6日、新たな国立公文書館・憲政記念館=図=の整備で建築、電気設備、エレベーター設備の工事3件の施工者を決めたことを明らかにした。2024年11〜12月開札の一般競争入札手続き(総合評価方式)を通じ、建築を大成建設が280億円(税抜き、以下金額同じ)、電気設備をきんでん・中央電気工事・旭日電気工業JVが51億5000万円、エレベーター設備を日立ビルシステムが4億2649万円でそれぞれ落札。いずれも3月31日までの余裕期間を経て着工し、29年3月30日までに完了させる。ただ、機械設備工事については不調に終わったため、改めて入札手続きを進める方針だ。
新たな国立公文書館・憲政記念館は、以前の憲政記念館があった千代田区永田町1ノ1ノ2の国会前庭・北地区へ整備する。鉄骨鉄筋コンクリート造地下4階地上3階建て延べ約4万2300平方bの建物で、工事費約489億円。日建設計が設計を担当した。
建築工事の発注手続きは1回目の一般競争入札(23年12月、総合評価方式)と2回目の受注意思確認型随意契約(24年5月)がいずれも不調で、3回目を一般競争入札(総合評価方式)に戻して24年7月に公告。標準積算と実勢価格に乖離(かいり)が生じていると考えられる項目について、参加者から提出される見積価格を用いて予定価格を作成する「見積活用方式」を試みた。
開札は24年11月12日。事後公表の予定価格は281億円、調査基準価格は258億5200万円(設定率92%)で、唯一参加した大成建設の落札率は99・6%だった。
一方、電気、機械、エレベーターの各設備工事は建築の度重なる不調を受けて、入札手続きを中止にしたり、入札公告を見送ったりしていた。電気設備と機械設備は24年8月に3回目、エレベーター設備は24年10月に2回目の入札をそれぞれ公告。電気設備と機械設備は24年12月4日開札で手続きを進めた。
電気設備の予定価格は54億7600万円、調査基準価格は50億3792万円(設定率92%)で、1社1JVが参加した。きんでんJVの落札率は94%。もう1社は辞退した。
エレベーター設備は24年12月6日に開札。予定価格は4億3320万円、調査基準価格は3億9854万円(設定率92%)で、唯一参加した日立ビルシステムの落札率は98・5%だった。
不調の機械設備については4回目の入札手続き(7月入札予定)で、建築と同様に「見積活用方式」を試みる。予定工事発注規模はこれまでと同様に20億円以上だが、工期は約48カ月から約44カ月と4カ月短くするとしている。
提供:建通新聞社