大田区は、激甚化する水害への対応として、高台まちづくり基本方針の素案をまとめた。パブリックコメントを経て、2025年4月の方針策定を目指す。地域ごとに見合った高台の創出へ、特別出張所の改築なども計画する。
区内全域を対象に、気候変動で激甚・頻発化する水害への対策に向けた基本的な方針をまとめる。高台化が必要なエリアを分析した上で、具体的な実現化方策を整理し、土地の特性に応じた計画的な高台化の考え方を示す。計画期間は40年代を最終目標に設定し、短期、中期、長期ごとの取り組みを定め、まちづくりを進める。
このうち32年ごろと設定する短期目標には、公・民の施設の新築・改築に合わせた高台の創出や、既存の民間施設を活用することで高台スペースを確保。中期的な目標には、さらなる拡充や浸水継続時間が長期にわたると見るエリアで、救出救助活動と支援物資を供給する防災拠点を整備する。長期的な目標には、多摩川の高規格堤防に合わせ浸水を回避する高台市街地の整備や、高台の公共施設の整備による避難先の確保などを目指す。
地域別の方針では七つのエリアを設定し、公共施設の整備などにより高台の創出を進める。新築・改築を計画する出張所は▽鵜の木特別出張所▽雪谷特別出張所▽池上特別出張所▽大森西特別出張所▽蒲田西特別出張所▽羽田特別出張所―など。この他、大森駅や蒲田駅の周辺開発に合わせた取り組みも視野に入れる。
提供:建通新聞社