首都高速道路会社は10月25日、新京橋連結路の開削トンネル建設に伴う工事の一般競争入札を公告した。「(改)新京橋連結路八重洲地区開削トンネル工事」と題する初弾の本体工で、発注規模が50億円以上のWTO政府調達協定対象案件。また、新たな契約方式の「施工能力評価方式(入札時VE提案タイプ)」を初試行し、コスト縮減に関わる提案を求めた上で、施工計画と入札金額の総合評価により落札者を決める。土木の単体(経営事項評価点数1200点以上)または2〜3者JV(代表者1200点以上・構成員1150点以上、2000点以上は1者まで)から10月28日〜11月29日に申請書や技術資料などを受け付けて、2025年3月12日に開札する。事業期間末の36年3月31日までに完了させる。
新京橋連結路は中央区八重洲2丁目の八重洲線・丸の内出口付近と新富2丁目の都心環状線・築地川区間を結ぶ延長約1・1`。東京高速道路(KK線)などの直下に当たる八重洲線側の約1`をトンネル構造(開削約0・2`、シールド約0・8`)、築地川区間側の約0・1`を擁壁構造とする。関連して丸の内入り口の整備や鍛冶橋換気所の造り替えも行う。トンネルのうちシールドは八重洲線側から内回りと外回りの2本を掘り進める。
首都高と東京都が合併施行を念頭に▽KK線直下のトンネル部を都▽既設線と接続するJCT部やKK線直下を除くトンネル部を首都高▽舗装や設備を首都高―の事業分担を調整し、6月に国から事業認可を得た。事業費1790億円(首都高1290億円、都500億円)。大林組が地下埋設物の試掘などを進めている。
今回の工事は中央区八重洲2丁目付近で行う。出入り口を含む開削トンネル約320bの躯体工や仮設工、支障となる下水道管路約370bの撤去・敷設工、鍛冶橋換気所の撤去工などを、実施設計を含めて発注。開削トンネルの一部をシールドマシンの発進立坑とするため、31年8月末までに一定程度を構築して同年9月以降にシールド工事(別途発注)の受注者が使用できるようにする。また、路外換気塔の地下躯体を30年9月末までに構築し、30年10月以降に建築工事(別途発注)の受注者へ引き渡す。
日本シビックコンサルタントと日本工営(いずれも千代田区)が前段の設計などを受託していた。
初試行する「施工能力評価方式(入札時VE提案タイプ)」は仕様が確定した標準案での施工が可能であり、契約手続きの期間短縮・簡略化に配慮しつつ、より価格を重視する工事に適用。構造変更を伴わず、代替の施工法によってコスト縮減が可能と考えられる工種を対象にVE提案を求める。ただ提出は任意のため、VE提案の不採用や未提出の場合は標準案で価格を見積もって入札してもらう。
新京橋連結路の整備に関連して、都心環状線・築地川区間の銀座・新富地区で擁壁などを築造する工事(工種・土木、発注規模50億円以上、25年度第4四半期入札予定)でも試行する予定だ。
提供:建通新聞社