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建通新聞社(東京)
2024/10/22

【東京】都 スライド条項適用、上半期は80件

 東京都財務局が2024年度の上半期に80件の工事でスライド条項を適用したことが建通新聞社の調べで分かった。インフレスライドが79件と大半を占め、残る1件は単品スライドだった。スライド条項の請求から適用までの期間は案件ごとに異なるため単純比較はできないものの、前年同期より4件増えた。建築系で建築と電気、土木系では河川の適用が多い傾向は前年同期と変わらなかった。
 インフレスライドを適用した79件を業種別に見ると、建築が43件で全体の5割以上を占めた。その他の状況は▽電気=14件▽河川=7件▽給排水衛生=6件▽一般土木=4件▽空調=3件▽給湯器・浴槽設備、しゅんせつ=各1件―となっている。
 案件別では都営住宅の関係が55件と7割近くに上った。同一工事でスライド条項を複数回適用したケースもあり、短いものは前回の適用から2カ月後に再度適用していた。
 インフレスライドのみを理由とした契約金額の増額は27件あった。内訳は建築が18件と最多で、電気の4件や空調の3件、河川と給湯器・浴槽設備の各1件が続いた。契約金額の増額幅は建築が1966万1400〜2億7425万5000円、電気が126万5000〜2040万5000円、空調が257万4000〜4922万5000円。適用が1件の河川は2010万0300円、同じく給湯器・浴槽設備は213万5100円の増額を措置した。
 また、単品スライドを適用した1件の業種はグラウトで、地盤改良用固化材の高騰が理由だった。
 一方、前年同期の適用件数は76件で、内訳はインフレスライドが66件、全体スライドと単品スライドが各5件。このうちインフレスライドを適用した66件の業種は▽建築=31件▽河川=11件▽電気、給排水衛生=各7件▽空調=3件▽潜かん、鋼けた=各2件▽道路舗装、橋りょう、橋りょう塗装=各1件―となっていた。
 スライド条項は、工事の契約締結後に賃金水準や物価水準が変動するなどした場合に、受注者や発注者がそれぞれの相手方に契約金額の変更を請求できる制度。請求後に受発注者で定める基準日以降の残工事期間(2カ月以上)の工事費について、設計変更で賃金水準や物価水準の変動を反映した額に見直す。
 インフレスライド、単品スライド、全体スライドの三つの方式がある中で、全体スライドについては23年1月16日から運用を見合わせている。提供:建通新聞社