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建通新聞社(東京)
2024/10/21

【東京】陽子線がん治療施設 設計・施工など公告

 東京都立病院機構は駒込病院(文京区)に陽子線のがん治療施設を整備するため、設計・施工と治療装置の調達・据え付けに当たる事業者を選ぶ総合評価一般競争入札を公告した。施設規模は延べ床面積4700平方b程度で、治療装置を含めた入札の予定総額を185億8098万円(税込み、上限)と見積もっている。都の競争入札参加有資格者などで構成するグループから11月20〜21日に入札参加申請書類を受け付け、2025年3月24日に入札時提出書類の提出を求めた上で、5月に開札して落札者を決定。25年6月に基本協定と契約を締結して整備などを進め、30年度中の開設を目指す。
 駒込病院は文京区本駒込3ノ18ノ22にある都立病院の一つ。がんに重点を置いた総合的な病院として、手術支援ロボットにより身体をできる限り傷つけない低侵襲手術や、難治性の白血病や悪性リンパ腫に対するCAR―T療法といった最先端のがん治療を提供している。
 都はがんの患者数や死亡者数の増加が見込まれることから、24〜29年度を期間とするがん対策推進計画の中で、最先端の放射線治療技術である粒子線治療の提供が可能な施設の整備を明記。また、3月にまとめた粒子線施設整備計画で、粒子線のうち身体的な負担が少ない陽子線のがん治療施設を駒込病院に整備する方針を決定した。
 整備に当たっては駒込病院敷地内の北側駐車場エリアを活用。治療室を2室以上備え、年間400人以上を治療できる延べ床面積4700平方b程度の施設とする。地域地区は第1種中高層住居専用地域・第1種住居地域(建ぺい率60%、容積率300%)、準防火地域、第3種高度地区となっている。
 事業者には施設の設計・施工に加え、陽子線治療施設の調達・据え付けと稼働後1年間の点検・保守を実施してもらう。グループ構成員のうち建設業務に当たる企業の入札参加要件は建築一式の経営事項審査総合評定値が1200点以上であることなどとなっている。
 予定総額の内訳(参考価格)は施設整備業務が114億3098万円、治療装置などの調達・据え付け業務が71億5000万円。
 なお、既設の駒込病院は三菱商事を代表企業とするPFI事業者が病棟を設計・施工し、25年度までの維持管理を行っている。事業者の構成員である山下設計が設計、戸田建設が施工を担った。提供:建通新聞社