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建通新聞社(東京)
2024/10/10

【東京】都評価委 霞川など河川4事業の継続了承

 東京都事業評価委員会(委員長・内山久雄東京理科大学教授)は11月6日の会合で、霞川と野川、谷地川、鶴見川の河川事業4件に関わる再評価を審議した。いずれも時間50_降雨への対応を目的とした護岸の整備や渡河橋の架け替えなどを進めているものの、用地取得を主要因とした事業の遅れが生じている。2024年度以降の事業期間の延伸を含む都側の説明を踏まえ、全て継続することを了承した。
 霞川は青梅市藤橋2丁目〜今寺1丁目の上流側約1300bと、青梅市今寺1丁目の下流側約330bの2区間が再評価の対象となった。このうち上流側は工事に着手済みで、全体事業費23億4200万円のうち77%を執行した。用地取得率は98%。182平方bの用地取得と、115bの護岸整備が残っている。一方、下流側は工事に未着手で、全体事業費6億8700万円のうち5%を執行した。用地取得率は32%。残りの事業は466平方bの用地取得、全区間の護岸整備、日野詰橋の架け替えとなっている。
 それぞれ06年度と18年度に事業認可を取得した後、19年度に上流側の事業期間を延伸し、下流側を含め24年度の完了を目指してきた。ただ、沿川には一戸建て住宅が多く立ち並び、用地折衝に時間を要していることなどから、2区間とも24年度中に事業期間を延伸する予定。早期の用地取得に向けて折衝を進めていく。
 野川の再評価対象は、最下流部に当たる世田谷区鎌田1〜2丁目の約1300b。工事に着手済みで、全体事業費159億0600万円のうち98・4%を執行した。用地取得率は96%。残る事業は68平方bの用地取得と、100bの護岸整備だ。
 1990年度に当初の事業認可を取得し、6回にわたる事業期間の延伸を経て2024年度の完了としていたが、24年度中に再度延伸する予定。沿川に賃貸アパートや大規模な補償物件があったことが理由で、残りの用地取得後は護岸整備が順調に進む見通しだ。
 谷地川は八王子市宮下町〜戸吹町の約630bについて再評価。工事は着手済みで、全体事業費22億3400万円のうち74%を執行した。用地取得率は92%。残る事業は641平方bの用地取得、225bの護岸整備、落合橋と若松橋の架け替えとなっている。
 09年度に事業認可を取得し、15年度と20年度に事業期間を延伸して現在の完了時期は25年度。現場周辺は狭隘(きょうあい)な道路に囲まれているため工事用搬入路や迂回(うかい)路の確保に時間がかかり、施工の困難さから不調になった工事もあって進捗に遅れが発生した。また、土地境界に争いがある画地や不法投棄のある画地が存在しており、用地折衝に時間を要している。これらを理由に25年度に事業期間の延伸を予定している他、収用も視野に入れて用地取得の調整を進めていく。
 鶴見川は町田市図師町の約520bを再評価。工事に着手済みで、全体事業費19億7800万円のうち24%を執行した。用地取得率は61%。残る事業は1284平方bの用地取得、513bの護岸整備、橋梁1橋の架け替えとなっている。
 18年度に事業認可を取得して24年度の完了を目指していたが、24年度中に事業期間を延伸する予定。沿川に小売店舗や一戸建て住宅が立ち並んでおり、高低差処理が必要な他、現況の河道と整備後の河道との間に取り残されてしまう画地が複数発生することなどから用地折衝に時間を要しているためだ。引き続き早期の用地取得に取り組む考え。提供:建通新聞社