東京都水道局と東京都市開発(TUD)は10月17日、江北給水所(足立区)の用地を活用して収益施設と駐車場を整備・運営する事業者の公募を開始した。1万平方b超の敷地のうち給水所の運用に支障がない範囲で、防災機能を備えたにぎわいを創出する施設の建設などを求めている。単独の企業や、設計や施工に当たる業者を交えたグループなどから11月29日と12月2日に応募書類を受け付けて、12月下旬に選定結果を通知。2025年1月下旬ごろに基本合意書を交わした後、事業者の提案スケジュールに基づいて設計や工事に取り掛かる。26年中の収益施設の運営開始を希望している他、26年12月までに駐車場の供用を始めることを条件付けている。
江北給水所の用地は足立区江北5ノ5の面積1万0935平方bで、地下に配水池を収めて地上の一部に上屋が立地。日暮里・舎人ライナー江北駅から徒歩5分の場所で、北側が環状7号線、東側が尾久橋通りに接している。地域地区は北側と東側の道路沿いが準工業地域(建ぺい率60%・容積率400%)、その他は第1種中高層住居専用地域(建ぺい率60%・容積率200%)と第3種高度地区に指定されている。
また、南側にある足立区立野小学校の跡地では、区が整備するスポーツを目的とした多目的広場が26年春に完成予定だ。
用地活用で建設する収益施設は居住用施設を除いて用途地域の制限内で建築可能な建物とする。駐車場については収益施設の利用者以外も利用可能な有償のコインパーキングなどを最低20台設置する。
安定給水や発災時の給水活動といった給水施設の役割を阻害することのない提案を求める。区がエリアデザイン計画の中で、東側の日暮里・舎人ライナー沿いを「にぎわい軸」と位置付けていることも考慮する必要がある。施工業者の資格要件として建築一式の経営事項審査総合評定値が1200点以上であることなどを挙げている。
事業期間中は水道局が事業用定期借地権を設定し、TUDが土地を借り受ける。建設する施設は水道局とTUDの共有物とし、事業者と最大30年間の定期建物賃貸借契約を結んで運営してもらう。
新築時の建物の躯体と標準設備にかかる工事、付随する設計や監理の費用はTUDが負担。それ以外の工事と付随する設計や監理の費用は事業者の負担とする。また、定期建物賃貸借契約の期間満了後にTUDが一括して行う原状回復工事や解体工事と、その他の工事の費用負担も新築時と同様としている。
提供:建通新聞社