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建通新聞社(東京)
2024/09/19

【東京】都 日の出ふ頭再整備へ基本方針検討

 東京都港湾局は日の出ふ頭の再整備に向けた基本方針を検討する。旅客船の待合所などが立つエリアで官民連携(PPP)手法による再整備を考えていたものの、建設費の高騰などを受けて採算性に課題が生じたことから、埠頭(ふとう)の全体を捉えた基本方針を練って事業展開に道筋を付ける。2024年度内に案を作成し、25年度以降に関係者と協議を行って成案をまとめる予定だ。
 日の出ふ頭(港区海岸2丁目地内)は1925年に運用を開始した都内最古の埠頭。港湾計画上の敷地面積は約4・7fで、水深6・7b、延長564bのバースを備える。前面の水域約7・1fの埋め立ても計画している。
 敷地内は旅客施設のエリアと港湾施設のエリアに分かれている。このうち旅客施設エリアに▽日の出ふ頭1号船客待合所(床面積316平方b)▽日の出ふ頭1号船客待合所連絡通路(423平方b)▽日の出ふ頭2号船客待合所(1270平方b)▽港湾労働者日の出休憩所(271平方b)―などが立地。一方、港湾施設エリアには、都が総延べ床面積8384平方bを所有する4棟の上屋や面積1795平方bの野積み場などがある。
 施設の老朽化が進んでいるため、旅客施設エリアの約1fでPPP手法による再整備を検討。22・23年度にみずほリサーチ&テクノロジーズ(千代田区)へ委託した業務を通じて定期借地権方式が最適と判断し、24年度に事業者を公募する予定でいた。港湾施設エリアについても23年度に八千代エンジニヤリング(台東区)で上屋などの移転計画を検討していた。
 ただ、旅客施設エリアのPPP手法による再整備は建設費の高騰などの影響で採算が合わなくなってきたため、港湾施設エリアを含む埠頭全体の再整備に向けた基本方針を考えることにした。
 前面水域を埋め立てる場合と埋め立てない場合を想定し、それぞれで敷地の全てを再整備するパターンや一部を再整備するパターンなどを検討。導入施設の規模や配置、整備スケジュール、事業手法と概算費なども盛り込んで、24年度内に再整備の基本方針の案を作成する。25年度以降に地元区や事業者に案を示して協議を進め、成案の取りまとめにつなげる。
 業務委託に伴う希望制指名競争入札の手続き中で、10月2日に開札する。履行期間は25年3月31日まで。提供:建通新聞社