日本財団パラスポーツサポートセンター(パラサポ)は、品川区東八潮にある「船の科学館」の跡地を日本海事科学振興財団から譲り受け、東京都の特許事業を活用した施設整備を行う方針だ。跡地は「十三号地公園」の都市計画区域内に位置している。都が10月にも策定する同公園の整備方針に沿った施設整備に向けて関係機関との協議や設計を進め、特許事業の認可申請を行う考え。
船の科学館の跡地は面積約4・59f。1970年1月に都市計画決定された十三号地公園(区域面積20・2f)の南側で、区域のおよそ3分の1を占める。日本海事科学振興財団が同年9月に都内で初めて特許事業の認可を得て建物を造り、74年に開館した。建物は老朽化などを理由に2011年に一般公開を中止。24年から五洋建設で解体を進めている。
また、パラサポが一部を借り受けて「日本財団パラアリーナ」(18年完成)を設けている。
一方、十三号地公園の北側など残りの区域は都立の潮風公園(約15・45f)や東八潮緑道公園(約0・49f)となっている。
都は船の科学館跡地での新たな特許事業を念頭に置いて十三号地公園の整備方針案を作成。それによると、同跡地を「スポーツゾーン」にして、スポーツを中心にさまざまな目的で都民が集うことができる拠点を形成するとした。特許事業を通じて、海辺という立地や大会レガシーを伝える空間の魅力を発信するよう求める。
一方、潮風公園など他のエリアには▽広場ゾーン▽緑の丘ゾーン▽プロムナードゾーン▽サニーテラスゾーン▽親水修景ゾーン―を配置する。10月4日までパブリックコメントを受け付けている。
パラサポでは、船の科学館跡地でパラアリーナが持つパラスポーツの普及啓発につながる機能を継続するための新たな施設整備を検討中。特許事業の条件や制約について都に問い合わせている段階だとしている。
都が22年に改定した「都市計画公園等の特許事業の整備基準」では、特許事業の建ぺい率は20%以下を基本とするものの、運動施設の場合には50%以下にまで引き上げられる。
提供:建通新聞社