東京都産業労働局は、空港臨海部でパイプラインなどによる水素供給の実現可能性を調査する事業者を公募した結果、NTTデータ経営研究所と日本空港ビルデングをそれぞれ代表事業者とするグループが提案した2件の事業を採択した。各グループと協定を締結して共同で事業に取り掛かり、2025年3月31日までに成果をまとめる。調査の状況は4月に都が設置した「東京におけるパイプラインを含めた水素供給体制構築検討協議会」で報告し、将来的な水素需要の拡大と大規模な水素供給体制の構築に向けた取り組みの推進に活用する。
採択した2件のうち、NTTデータ経営研究所グループ(共同事業者=NTTアノードエナジー、NTT東日本)の事業では、川崎臨海部や都内、他都市などで製造された水素を共同溝・洞道・管路などのインフラを活用したパイプラインで運び、脱炭素の喫緊性が高い業種へ供給するビジネスモデルを調査する。工場や物流センター、水素ステーション、業務・商業施設などでの利用を想定している。
一方、日本空港ビルデンググループ(共同事業者=ENEOS、川崎重工業)の事業は、多摩川スカイブリッジから羽田空港エリアにパイプラインなどで水素を供給するルートを検討。羽田空港エリア内の水素利活用設備・機器(コジェネ発電、空港関係車両など)のポテンシャルを調査して、ロードマップを策定する。
7月に進めた公募手続きに3者が応募。外部有識者を交えた審査により、二つのグループが提案した2件の事業を採択した。
提供:建通新聞社