東京都財務局は土木工事の出来形数量確認に関わる書類を削減する。国土交通省と同様に、出来形測量が施工管理基準と規格値を満たしていれば、受注者が用意しなければならない根拠資料の一部を不要にする方向。建設関連団体との意見交換などを通じて内容を詰め、協議が整いしだい実施に移す考え。
都財務局は工事の受注者に提出させていた「工事着手届」など8様式の書類を2024年度から不要にした。受注者の負担軽減に向けた取り組みの一環で、4月からの時間外労働の上限規制も踏まえて建設業の働き方改革を後押しするためだ。
ただ、都の工事を巡っては建設業界から書類の削減や簡素化を求める声が根強い。削減を検討している今回の書類もその一つで、都の土木工事標準仕様書(22年4月)に記載のない出来形数量を確認する目的で受注者に用意させている。
一方、国交省の土木工事共通仕様書では「出来形測量の結果が、設計図書の寸法に対し、土木工事施工管理基準及び規格値を満たしていれば、出来形数量は設計数量とする」と定め、受注者が出来形数量の根拠資料を用意する必要はない。
このため今年2月の都議会本会議で菅野弘一氏(都議会自民党)が改善を求めたのに対し、山下聡財務局長は「一部を省略するなどさらなる受注者の負担軽減に向けた検討を進め、仕様書などに反映していく」と答弁していた。
今後、国交省の共通仕様書を基に都の標準仕様書を改定して削減の裏付けにする見通しだ。
提供:建通新聞社