東京都環境局は伊豆諸島の海域で洋上風力発電施設の建設を検討している。2024年度は大島と新島、神津島、三宅島、八丈島の5島で、島民や漁業関係者へのヒアリングを行って建設候補エリアを絞り込む。漁業への影響がないことを確認し、島民などの理解が得られれば事業化したい考えだ。
都では再生可能エネルギーのさらなる導入に向け、専門家や実務家の助言を得る「再エネ実装専門家ボード」を23年度に設置。「洋上風力」や「海洋エネルギー」などの個別テーマを掲げて専門家らと意見交換を進めている。
このうち洋上風力を巡っては、メンバーの1人である東京電力リニューアブルパワーの池ノ内岳彦氏が、23年9月の会合で「伊豆諸島の周辺はポテンシャルが大きい」と説明。おおむね毎秒9bの風が吹く海域に、「ギガワットクラスのウインドファームを複数台設置、稼働できるのではないか」との見方を示していた。
一方、環境局は「令和5年度都における再エネポテンシャル等調査」をパスコ(目黒区)に委託。机上調査を通じ、伊豆諸島の海域には洋上風力発電施設を運用できるポテンシャルがあることを把握するとともに、建設候補エリアを練った。
24年度もパスコが手掛ける「令和6年度都の海域における洋上風力発電事業ゾーニング調査」の中で、23年度に練った建設候補エリアが5島の漁場と重なるかどうか調べる。洋上風力発電施設に関する島民向けの説明会を開くなどして、事業への関心を高めてもらう機会も設ける。調査委託の履行期限は25年3月14日。
提供:建通新聞社