東京消防庁は新本部庁舎の整備に伴う基本設計の委託先を日建設計(千代田区)に決めた。プロポーザル方式で選定し、7月22日に同社が提示した6億4500万円の見積金額を採用して契約。2025年10月31日までに成果を得て、後続の実施設計を27年度内に完了させる。28年10月〜32年11月に延べ床面積約6万3000平方bの建物を建設した後、33年10月〜38年1月に既存建物を解体する予定だ。建設関連費約800億円を見込む。
現本部庁舎(千代田区大手町1ノ3ノ5、敷地面積約4300平方b)は、1976年に完成した鉄骨鉄筋コンクリート造地下3階地上14階建ての建物で、同一敷地内に立つ丸の内消防署と合わせた総延べ床面積は3万0498平方b。大林組が施工を担当した。
老朽化や狭隘(きょうあい)化などを受けて建て替える。現本部庁舎の敷地と近傍の千代田区大手町1ノ7ノ28にある気象庁跡地のうち面積5300平方bを交換し、新本部庁舎の整備用地を確保する。
新本部庁舎は地下3階地上22階建てで免震構造を持つ延べ床面積約6万3000平方bの建物とし、丸の内消防署や地域に開かれた施設を併設する。地下に駐車場など、低層階に丸の内消防署と地域に開かれた商業施設や防災施設など、中・高層階に事務室などを配置する他、屋上に大型機対応のヘリポートを設ける。無線鉄塔を含めた建物高さは185b程度。省エネルギー化や再生可能エネルギーの導入により、「ZEB Ready」の取得を目指す。
基本設計のプロポーザルには5者が参加を希望した。このうち4者が提出した技術提案書の中から日建設計の提案が最適であると判断した。
基本設計では、新本部庁舎の構造や工法、設備計画などを検討する。工法は工期短縮の面から2段打ち(簡易逆打ち)の採用が最有力。設備については、非常時にも稼働する熱源システムと受電方式を考えて最適な方式を固める。現本部庁舎・丸の内消防署の解体設計も行う。
21年度に将来構想の支援業務を明豊ファシリティワークス(千代田区)が、22年度に基本構想と解体計画の策定支援業務を三菱地所設計(千代田区)が、23年度に基本計画の策定支援業務を山下PMC(中央区)がそれぞれ手掛けた。
提供:建通新聞社