東京都水道局多摩水道改革推進本部は、立川線(羽村市〜小平市)の更新に向けた基本設計をスタートさせる。第1期事業として口径1100〜900_、延長10〜12`の送水管をシールド工法で新設することを想定し、ルートや立坑の候補地、施工方法を固める方針だ。業務の委託先を希望制指名競争入札で選定するため、土木設計の競争入札有参加資格者から7月16日まで参加申請を受け付けて、8月26日に開札する。2024〜26年度の3カ年で成果を得て、後続の実施設計に備える。
立川線は羽村市小作台4丁目の小作浄水場から瑞穂町や武蔵村山市、東大和市を経由して、小平市上水新町2丁目で府中線に接続する口径1000〜600_、延長約22・8`の送水管。新青梅街道などがルートとなっている。
敷設から56年程度がたち老朽化が進むとともに、全区間のうち約7割の管が非耐震継ぎ手となっているため更新する。
更新するのは非耐震継ぎ手の下流側約16・5`で、2期に分けて事業を実施する。第1期は羽村市緑ケ丘3ノ3地先から東大和市上北台1ノ801地先(上北台給水所)までの自然流下区間約10・5`、第2期は上北台給水所から府中線までの圧送区間約6`が対象だ。
今回の基本設計は第1期事業に対応したもので、口径1100〜900_、延長10〜12`の送水管をシールド工法で新設する考え。新設する送水管と▽石畑増圧ポンプ所(瑞穂町石畑)▽学園配水所(武蔵村山市学園1丁目)▽上北台給水所―の3施設をつなぐ連絡管についても検討する。
併せて、上北台給水所と立川砂川給水所(立川市砂川町6丁目)を結ぶ口径600_、延長2・5〜3・5`の送水管を開削工法と推進工法で新設する計画。立川砂川給水所の受水ルートを2条化するのが狙い。こちらも今回の基本設計でルートなどを具体化する考え。
第2期事業の着手時期については現段階で未定としている。
〜町田線は「パイプインパイプ」で更新へ〜
30年までの水道施設の整備計画を示すマスタープランでは、多摩部にある送水管の更新事業の対象路線として、立川線の他に町田線も位置付けている。
町田線は境浄水場(武蔵野市関前1丁目)と小野路給水所(町田市小野路町)を結ぶ口径1600〜800_、延長約21・6`の送水管。パイプインパイプ工法で更新する計画だ。
町田線の更新を巡っては、3月14日の都議会予算特別委員会で星大輔氏(自民党)が進捗をただしたのに対し、水道局の西山智之局長は「23年度末に整備方針を策定し、24年度に基本設計に着手する」と答弁していた。
提供:建通新聞社