東京都港湾局は中央防波堤内側埋立地の第2航路に面して内貿ユニットロードふ頭を新設する。水深9b、延長500bのX6〜7バースを整備する計画だ。これに伴う基本検討業務を委託するため、7月2日に希望制指名競争入札を公示。土木・水系関係調査Aの競争入札参加有資格者から7月5日まで希望申請を受け付けて、7月24日に開札する。2025年10月31日の履行期限で構造形式などを具体化し、国土交通省との協議や後続の設計に備える。
貨物輸送をトラックから船舶などに転換するモーダルシフトの進展を受け、国内貿易の貨物量が増加するとともに船舶も大型化している。これに対応するため、都は23年12月に策定した東京港第9次改訂港湾計画(以下、9次計画)に既存ふ頭の再編整備を明記。その一環で、中央防波堤内側埋立地(江東区海の森3丁目地内・地先)に内貿ユニットロードふ頭を新たに整備することとした。
既存の控え直杭式と控え鋼矢板式の鋼矢板護岸の前面に幅50bの護岸を築造。そのさらに前面に幅30bの耐震強化岸壁を築造して、水深9b、延長500bのX6〜7バースを整備する。幅120bの背後施設も配置する。
基本検討業務ではレベル1地震動が地盤に与える影響をシミュレーションして地盤改良工法を検討する。その上で、岸壁と護岸の構造を3ケース作成・比較するなどして適正な構造形式を具体化する。
また、BIM/CIMモデルを作るとともに設計段階や施工段階を含めた利活用を検討。適用可能なICT施工の工種も考えて施工計画を立案する。さらに、X6とX7を一括で事業化した場合とそれぞれ事業化した場合の費用対効果の分析を行う。
別途、測量と地質調査を委託。25年1月の納期で完了してもらい、基本検討の作業に反映させる。これらの成果を基に国交省と協議して早期の事業着手を目指す。
〜中防内1号線は予備設計〜
港湾局では、内貿ユニットロードふ頭のアクセス路線となる「中防内1号線」の予備設計にも着手する。延長1560bの臨港道路で、ふ頭との一体的な整備を考えている。7月中に業務の委託先を決定し、24年度内に成果を得て後続の実施設計に備える。
中防内1号線は江東区海の森3丁目地内の中防内5号線と中防内6号線を結ぶ格好で、9次計画では車線数を往復2車線と定め、面積4fの交通機能用地を整備に充てるとしている。幅員は25bを想定する。
今回委託する予備設計では、線形や幅員構成を検討するとともに、概算事業費を算出する。業務の委託先の選定に向けて希望制指名競争入札の手続きを進めており、7月17日に開札する。履行期限は25年2月14日。用地の一部が建設発生土再利用センター(江東区海の森3ノ4ノ50)の土地と重なっているため、所管の都市整備局と調整していく。
提供:建通新聞社