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建通新聞社(東京)
2024/07/02

【東京】首都高 工事に「施工能力評価方式」導入

 首都高速道路会社は工事の新たな契約方式として「施工能力評価方式(入札時VE提案タイプ)」を導入した。仕様が確定し標準案による施工が可能であり、契約手続きの期間短縮・簡略化に配慮しつつ、より価格を重視する工事に適用。2024〜25年度に発注を予定する新京橋連結路の八重洲地区開削トンネル工事と、都心環状線(築地川区間)の銀座・新富地区擁壁他工事の2件を初弾の適用対象に挙げた。また、一括審査方式を試行導入することとし、27年度第1四半期までに施工能力確認方式で発注を予定する工事のうち舗装と塗装の2工種から対象を選んだ。
 「施工能力評価方式(入札時VE提案タイプ)」では、定めた性能を確保しつつ適切なコスト縮減を目的とする入札時VE提案(任意)を求めるなどした上で、施工計画と入札金額の総合評価により落札者を決める。VE提案の対象は構造変更を伴わない代替の施工法でコスト縮減が可能な工種。標準価格は変更しない。
 100点と加算点(施工計画による最大30点)を合計した技術評価点を入札金額で割って評価値を算出する。手続きの標準的日数は150日前後としている。
 初弾の対象に挙げた2件のうち、新京橋連結路の八重洲地区開削トンネル工事は24年度第4四半期、都心環状線(築地川区間)の銀座・新富地区擁壁他工事は25年度第4四半期にそれぞれ入札を予定。いずれも発注規模が50億円以上で工種は土木だ。
【一括審査、舗装と塗装で試行開始】
 一方、一括審査方式は複数工事の手続きを一括して行うことで、受発注者双方の負担軽減や効率化などにつなげるため試行導入。工事の目的・内容や技術力審査・評価、工種・ランク、入札契約手続きなどが同一であることを条件に掲げた。
 現時点での対象は、舗装が「(修)舗装改修工事2024―1―1」と「(修)舗装改修工事2024―1―2」(東京西局、24年度第3四半期入札予定)。
 また、塗装は▽「(修)塗装改修工事1―401」と「(修)塗装改修工事1―402」(東京西局、25年度第2四半期入札予定)▽「(修)塗装改修工事2―401」と「(修)塗装改修工事2―402」(東京東局、25年度第4四半期入札予定)▽「(修)塗装改修工事2―404」と「(修)塗装改修工事2―405」(東京東局、27年度第1四半期入札予定)▽「(修)塗装改修工事3―135」と「(修)塗装改修工事3―136」(神奈川局、24年度第4四半期入札予定)―としている。
 首都高ではこれらの他、24年度に配置予定技術者の特定時期(標準)を参加表明書などの提出時点から契約後に変更したり、「労務費見積り尊重宣言」をしている入札参加者を総合評価で加点したりする取り組みを始めた。技術提案書の評価では、技術提案可能数の標準を1項目につき1提案と定めるとともに、評価の段階も3段階から6段階に多段化して技術力の差をより正確に反映できるようにしている。提供:建通新聞社