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建通新聞社(東京)
2024/07/01

【東京】都 乞田の代替幹線、延長を4`に延伸

 東京都下水道局流域下水道本部は、乞田幹線下流部に整備する代替幹線の延長を当初計画より約0・8`延伸して約4`とする。都市計画変更の手続きと並行して、2024年度中に実施設計その3を委託。25年度に成果を得て、同年度内にシールド発進立坑の築造工事を発注して着工する考えだ。流域下水道の幹線を再構築する初弾事業となる。
 乞田幹線は八王子市鑓水浜道地内から多摩市と八王子市、町田市の下水を集め、稲城市大丸にある南多摩水再生センターへ導く延長約12・8`、最大内径2600_の汚水幹線。1968年度から84年度にかけて整備した。
 完成から50年がたち老朽化が進んでいる他、管渠内の水位が高く更生工法での再構築が難しい。そこで下流部に延長約3・2`、内径1800_の代替幹線を整備して下水の流れを切り替えるととし、2016年に都市計画を変更した。
 それによると代替幹線の下流側約2・1`を既設幹線とほぼ同ルートでより深い地下に築造。南多摩水再生センターから川崎街道を進み、上麻生連光寺線に入った後、都立桜ケ丘公園(多摩市連光寺)の敷地を北東から西南に向かって横断する。
 残る上流側約1・1`は既設幹線とは異なるルートを採用。桜ケ丘公園を出て西南に進み、府中町田線を北西に曲がって多摩市馬引沢付近で既設幹線に接続させて下水の流れを切り替える格好だった。
 ただ、都市計画変更後の検討を踏まえて、今回、代替幹線をさらに上流側へ約0・8`延伸し、全長を約4`とすることとした。乞田川の永山橋付近で伏越し構造になっている既設幹線の維持管理性を向上でき、豪雨時に発生している永山橋付近の溢水(いっすい)も低減できることなどを理由に挙げている。
 延伸に伴い桜ケ丘公園以西の上流側ルートも若干変更する。具体的には、桜ケ丘公園から現行計画より北に膨らんだルートをとりつつ西南方向に進み、鎌倉街道を北に曲がって多摩市永山付近で既設幹線に接続させる。再度の都市計画変更に向けた手続き中で、素案の地元説明を終えた段階だ。
 南多摩水再生センターから桜ケ丘公園までの下流側は実施設計を終えている。延伸とルート変更を伴う桜ケ丘公園以西の上流側については、24年度中に実施設計その3を委託して25年度までの2カ年でルートなどを固める。
 工事は泥水式シールド工法の採用を想定。南多摩水再生センター内に発進立坑を、桜ケ丘公園敷地内に中間立坑を、鎌倉街道に到着立坑をそれぞれ設け、最大土かぶり約80bの地下を掘り進める計画だ。25年度中に発進立坑の築造工事を発注し、同年度内の着工を目指す。
 代替幹線を整備した後の既設幹線の下流部の取り扱いは現段階で未定としている。撤去か充填(じゅうてん)により廃止するのが一般的だが、非常時の予備幹線として使用することも視野に入れている。提供:建通新聞社