東京都住宅政策本部は、2025年度にもZEH水準の断熱、省エネ性能がある都営住宅の建築工事に着手する。具体的な団地名は明らかにしていないものの、基準建物設計を改定した23年7月以降に建て替えの基本設計を始め、24年度中に実施設計が完了する団地を皮切りに建設が進む見通しだ。
ZEH水準を満たす共同住宅は、断熱等性能の等級が5以上、かつ再生可能エネルギーを除いた1次エネルギー消費量の等級が6(省エネ基準の基準値から20%削減)の性能が求められる。
住宅政策本部では都営住宅の標準的な間取り、仕様、構造、設備などを定めた基準建物設計を23年7月に改定。窓ガラスの仕様を単板から複層Low―Eとした他、断熱材の量を増やすため外壁や内壁の厚みを増した。太陽光発電設備については、約40`hの出力容量を確保するとしている。
これにより、基準建物設計の改定以降に建て替えの基本設計を委託した都営団地については原則としてZEH水準の性能になるという。
都営住宅の断熱、省エネ化を巡っては、23年第4回都議会定例会の本会議で米倉春奈氏(日本共産党)が代表質問。当時の山口真住宅政策本部長が「都営住宅の建て替えに当たり、国の公営住宅等整備基準に基づいて、ZEH水準を満たす断熱、省エネ性能の仕様で整備することとしており、順次、基本設計に反映する」と答弁していた。
提供:建通新聞社