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建通新聞社(東京)
2024/06/11

【東京】新公文書館等の建築、一般競争の見積活用に


 国土交通省官庁営繕部は新たな国立公文書館・憲政記念館の整備で、建築工事、電気設備工事、機械設備工事の3回目の発注手続きを行う方針を固めた。建築工事の2度にわたる不調を踏まえた対応で、建築工事を一般競争入札に戻して「見積活用方式」を試みる他、2回目のエレベーター設備を含む工事4件の全てに余裕期間制度を活用。11〜12月の入札を目指して手続きを進める。2028年度末を予定していた開館時期は1年先延ばしする方向で調整中だという。
 新たな国立公文書館・憲政記念館は、以前の憲政記念館があった千代田区永田町1ノ1ノ2の国会前庭・北地区へ整備する。鉄骨鉄筋コンクリート造地下4階地上3階建て延べ約4万2300平方bの建物に▽展示・学習▽調査研究支援▽講堂・会議室▽保存▽修復▽デジタルアーカイブ▽エントランス▽執務・管理▽駐車場―などの機能を収める。全体工事費約489億円。日建設計(千代田区)が設計を担当した。
 1回目の発注手続きは23年12月に建築工事の一般競争入札が不調になったため、電気設備工事、機械設備工事、エレベーター設備工事の一般競争入札(24年1月開札)を取りやめた。
 続く2回目は建築工事を受注意思確認型の随意契約(受注意思のある企業と見積もり合わせを行って、予定価格の範囲内で最低価格の企業と契約する方式)に変更するとともに、3月に電気設備工事と機械設備工事の一般競争入札を改めて公告。ただ、建築工事が再び不調に終わり、電気設備工事と機械設備工事の入札も再度取りやめることを6月10日付で明らかにした。
 これを受けて6月10日に発注見通しを更新。3回目となる建築工事(工事発注規模50億円以上)を一般競争入札に戻して11月に、同じく電気設備工事(20億円以上)と機械設備工事(20億円以上)の一般競争入札を12月に入札する予定とした。2回目になるエレベーター設備工事(3億円以上8億1000万円未満)の一般競争入札も12月に入札する予定だ。
 建築工事の入札で試みる「見積活用方式」は、標準積算と実勢価格に乖離(かいり)が生じていると考えられる項目について、入札参加者から提出される見積価格を用いて予定価格を作成する仕組み。官庁営繕部の新築関係工事では初採用だ。
 また、建設業界の技術者不足などを考慮して、建築工事、電気設備工事、機械設備工事、エレベーター設備工事の4件の全てで余裕期間制度を活用するとしている。提供:建通新聞社