東京都の知事部局は設計等委託の最低制限価格の算定式を見直して、7月1日以降に公告などを行う案件から適用する。ダンピング対策のさらなる徹底が目的だ。また、現場代理人の常駐義務の緩和について、10月1日以降に公告などを行う案件から実施。工事の特性を踏まえて各工事で兼務の可否を判断し、対象となる場合は発注予定表に明記する。
最低制限価格の算定式は、▽建築設計=設定範囲の上限を80%→81%▽土木設計=設定範囲の上限を80%→81%、算定式のうち一般管理費等の算入率を0・48→0・50▽測量、地質調査=算定式のうち諸経費の算入率を0・48→0・50―に改める。
最低制限価格は予定価格の算定に用いる積算基準に応じ、予定価格を構成する各項目を税抜き価格で設定。設定額が下限値に満たない場合は下限値を、上限値を超える場合は上限値を最低制限価格とする。端数については、設定額と上限値は万円未満を切り捨て、下限値は万円未満を切り上げで処理する。
都では2023年10月から国土交通省の低入札価格調査基準価格の算定式を準用して制度運用していた。国が設定範囲の上限や参入率を一部引き上げる算定式の見直しを行って24年度の発注案件から適用したことを受け、同様の改正を決めた。
現場代理人については、これまでも▽契約締結後、現場事務所の設置、資機材の搬入または仮設工事などが開始されるまでの期間▽工事請負契約書の規定により、工事の全部の施工を一時中止している期間▽橋梁、ポンプ、ゲート、エレベーターなどの工場製作を含む工事で、工場製作のみが行われている期間▽工事現場で作業などが行われていない期間―で兼務を認めていた。
今回の緩和では、▽予定価格(税込み)が4000万円(建築8000万円)未満▽兼務する工事がいずれも維持工事でない▽兼務する現場間の距離が直線距離で10`以内(島しょ部は同一島内)▽同時に兼務する件数は2件まで▽現場代理人が不在となる際には、受注者と直接的な雇用関係にある連絡員を配置▽現場代理人は連絡員と常に連絡が取れる体制を確保するとともに、主要な会議・工程には参加・立会などの職務を遂行―を満たした場合に兼務を認める。
対象工事で現場代理人の兼務をする場合には、契約後に「現場代理人及び主任技術者等通知書」の他、必要書類を監督員に提出する。
提供:建通新聞社