厚生労働省東京労働局は5月21日に月島三丁目北地区第1種市街地再開発事業(中央区)の工事現場で、熱中症対策の緊急パトロールを実施した。5〜9月を期間とする「STOP!熱中症クールワークキャンペーン」の一環で、熱中症対策に重点を置いた工事現場のパトロールは初の試み。岡田直樹労働基準部長らが場内を見て回り、施工者の五洋建設が熱中症を防ぐために講じているさまざまな工夫を確認した。
月島三丁目北地区の再開発では面積約1・5fの施行区域内に3棟・総延べ床面積14万9450平方bの施設建築物を建設して、1300戸を超える住宅や公益的施設、障害者グループホームなどを設ける。2022年3月に既存建物の解体から工事をスタートさせた。5月21日の段階で3棟のうち2棟の躯体などを施工中。26年6月の完成を目指している。
施工者の五洋建設は、環境計測システムと黒球型携帯熱中症計を使って屋外・屋内の暑さ指数を把握するとともに、暑さ指数に応じた休憩時間などを作業計画で設定。また、扇風機や冷たい飲食物を備えた休憩エリアを複数箇所に設けたり、ファン付き作業服などの着用を推奨したりして作業員の熱中症予防に取り組んでいる。
パトロールを終えた岡田労働基準部長は、集まった現場関係者に対して、昨年の熱中症による死傷災害が過去最多となったことや、今年5〜7月の東日本の気温が例年より高いと予想されていることなどを説明。その上で「熱中症をはじめとした労働災害を発生させない決意の下、より一層の労働災害防止活動を展開して他の現場の模範になってほしい」と呼び掛けた。これを受けて、職長会の代表は「五洋建設と作業員が一丸となって熱中症の予防に全力で取り組む」と決意表明した。
提供:建通新聞社