東京都下水道局は東尾久浄化センターの新たな高度処理施設の整備に向け、2024〜25年度の2カ年で実施設計を進める方針だ。嫌気無酸素好気法(A2O法)で1日当たり約20万立方bの下水を処理できるようにして、近傍の三河島水再生センターを再構築する際の能力を補う計画。25年度内に建設場所にある地下埋設物の撤去から工事をスタートさせた上で、施設の本体を2期に分けて約10万立方bずつ整備していく考え。
東尾久浄化センターは荒川区東尾久7ノ2の隅田川沿いに立地(敷地面積7万4000平方b)。近傍の三河島水再生センター(荒川区荒川8ノ25ノ1)で高級処理した水の一部を受け入れ、砂ろ過(生物膜ろ過法)による高度処理で浮遊物質などを除去して隅田川に放流している。現在の処理能力は1日当たり20万立方b。1999年4月に完成した。
一方、三河島水再生センターの処理能力は1日当たり66万5000立方b。61年に運転を始めた標準活性汚泥法の施設のため、将来的な再構築を考えている。
そこで東尾久浄化センターにA2O法の新たな高度処理施設を整備。流入する下水の一部を切り回して1日当たり約20万立方b分の処理能力を受け持たせる。NJS(港区)が基本設計を手掛けた。
2024〜25年度の実施設計については、業務の委託先を決める5月21日開札の希望制指名競争入札が参加者の辞退で不調となった。業務内容は水処理施設の実施設計と光ファイバーの切り替えに伴う場内整備の実施設計。予定価格は1億7884万円(税抜き)で、履行期間は420日間だった。業務内容を精査した上で、再発注の手続きを進めることにしている。
なお、三河島水再生センターに流入している下水の一部は、町屋ポンプ所〜東尾久水再生センター間を結ぶ町屋幹線(内径3750_、延長約1・9`)を新設して切り回す。日本シビックコンサルタント(千代田区)が実施設計を担当している。
提供:建通新聞社