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建通新聞社(東京)
2024/05/17

【東京】都 CCUS活用工事、成績評定で加点

 東京都の財務局建築保全部と建設局が建設キャリアアップシステム(CCUS)を活用した工事の試行に乗り出す。財務局建築保全部は技術管理課長が定める大規模工事、建設局は予定価格9億円以上の土木工事を対象とし、受注者の希望に応じてCCUSを活用。CCUSの登録者数の計測などを適切に実施した場合には工事成績評定を1点加点する。今後、他の部局でも試行の前提を整えて取り組む見通しだ。
 CCUSは技能者の資格や現場の就業履歴などを登録・蓄積し、技能と経験の客観的な評価を通じて処遇の改善につなげる仕組み。業界団体や国土交通省などが連携して普及を進めている。
 都も普及啓発に努めてきており、24年度からは理解促進と活用状況の把握を目的として、大規模工事での「CCUS活用工事」の実施を決定。これを受けて財務局建築保全部と建設局が試行のための実施要領を制定した。
 財務局建築保全部は4月1日以降、建設局は5月1日以降に公表する案件に適用。起工書と案件公表時の資料、特記仕様書に対象工事であることを明記して、受注者に希望するかどうかの判断を委ねる。
 実施に当たっては、まず現場着手前までに「協議・報告書(統一様式26)」で監督員へ報告。CCUSに工事情報を登録し、現場へカードリーダーなどを設置して状況の分かる写真を提出する。設置費用と現場利用料(カードタッチ費用)は受注者の負担とする。
 施工を進める中で▽登録事業者率(CCUS登録事業者数/下請け企業数)▽登録技能者率(CCUS登録技能者数/技能者数)▽就業履歴蓄積率(カードリーダーにタッチするなどして現場へ入場した技能者数/現場へ入場した技能者数)―を計測して監督員に提出する。計測のタイミングは工事着手日から半年後が初回で、以降3カ月に1回の頻度を基本とする。初回の計測から3カ月未満で工事が完了する場合には、工事完了前に計測日を1回設ける。加えて、発注者によるアンケートへの回答を工事完了時までに提出する必要がある。
 これらを適切に実施すれば、工事成績評定の「創意工夫と熱意」に関わる「37その他」の項目で1点加点する。提供:建通新聞社