東京都福祉局は北療育医療センター(北区)の施設について、現地改築か移転改築で延べ床面積2万3000平方b程度にすることを想定している。これを踏まえて基本計画を策定するため、支援業務の委託先を希望制指名競争入札で決める。都市計画・交通等計画A〜Cまたは企画立案支援Bの競争入札参加有資格者から5月10日まで希望申請を受け付けて、5月24日に開札する予定。2024年度末までに成果を得て、後続の設計や工事につなげる。財務局の「第三次主要施設10か年維持更新計画」(22年3月策定)によると、25〜27年度の3カ年(第2期)の間に設計を始めることになっている。
北療育医療センターは北区十条台1ノ2ノ3にあり、重症心身障害児・者の療育と一般医療機関では困難な心身障害児・者の診療を行っている。療育部門で計70床の入園・入所と計70人の通園・通所に対応。医療部門は12の診療科で1日当たり200人の外来を受け入れている他、50床の入院機能を持っている。
面積1万6721平方bの敷地には、▽A棟=鉄筋コンクリート造地下1階地上2階建て延べ7823平方b▽B棟=鉄筋コンクリート造2階建て延べ4067平方b▽C棟(看護宿舎など)=鉄筋コンクリート造5階建て延べ1150平方b―をはじめ、バス車庫やプール下屋、プール付属棟、守衛室が立地。総延べ床面積は1万3307平方bで、1985年に完成した。
施設整備を巡っては、20年度の「方針検討調査」と23年度の「検討支援」を横河建築設計事務所(品川区)が手掛けていた。
基本計画の策定に向けて想定した改築後の延べ床面積は2万3000平方b程度。今回の支援業務を通じ、充実・強化、新設が求められる機能などを考えて諸室の数や面積を検討する。屋外グラウンドや庭園、駐車場なども設ける方向だ。また、利用者負担や工期・コストなどの面から現地改築と移転改築を比較して整備手法を具体化していく。2024年度の当初予算で2592万円の委託経費を計上した。
現地の用途地域は第1種中高層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率150%)で、第2種高度地区と準防火地域にも指定。南側に北特別支援学校、北側に王子特別支援学校、東側に障害者総合スポーツセンターが立地する他、近傍に北区が再整備を検討中の区立中央公園も位置している。一方、移転改築の候補地については明らかにしていない。
提供:建通新聞社