首都高速道路会社は都心環状線・日本橋区間の地下化事業(千代田区〜中央区)に関わる「常盤橋地区トンネル工事」の施工者を大成建設・川田工業JVに決めた。入札参加者から2者を選抜して実施設計の一部を任せ、その完了後に入札で落札者を決める「技術選抜設計承認方式」の試行対象で、2022年4月から一般競争入札(WTO政府調達協定対象)の手続きを進めていた。4月3日に開札し、1042億4000万円(税抜き、以下金額同じ)で応札するなどした同JVと4月15日付で契約。2039年3月31日までに完了させる。
常盤橋地区トンネル工事は千代田区大手町2丁目〜中央区八重洲1丁目が施工場所。入札参加した大成建設・川田工業JVと鹿島・鉄建建設・東急建設JVの2者を選抜し、それぞれが2億9500万円、3億3500万円と見積もった価格で実施設計の一部(工期22年11月23日〜23年11月17日)を任せた。落札者となった大成建設・川田工業JVは残りの実施設計と、延長約340bの開削トンネルや河床防護工、都心環状線の仮受け橋脚、一石橋架け替えなどの施工を担当する。
予定価格は最終技術提案書の技術評価点が高かった大成建設・川田工業JVの提案を踏まえて1064億6124万2000円に設定。また2者の技術提案を踏まえて個々に設定する調査基準価格は同JVが979億4434万2640円(設定率92%)で、落札率は97・9%だった。鹿島・鉄建建設・東急建設JVの入札金額は予定価格を超過していた。
都心環状線・日本橋区間の地下化事業を巡っては「シールドトンネル工事」と「高速6号向島線接続地区上部・橋脚・基礎工事」でも技術選抜設計承認方式を試行。先行してそれぞれ大成建設、JFE・MMB・鹿島・東亜JV(構成企業=JFEエンジニアリング、エム・エムブリッジ、鹿島、東亜建設工業)を施工者に決め、3月19日付で契約を結んでいる。
提供:建通新聞社