東京都建設局は2024年度の一般会計当初予算に計69件で限度額総額3546億0700万円の債務負担行為を新たに設定する。前年度に比べて件数は10件増、限度額総額は69%増。費目別に見ると河川海岸費の件数が8件増、限度額が349・7%増となり全体を押し上げた。限度額が大きい工事は石神井川上流調節池の約769億円、城北中央公園調節池2期の549億円、南多摩尾根幹線・稲城多摩トンネル(仮称)の351億円など。債務負担行為で後年度支出を担保して、24年度に複数年にわたる工事を発注する見通しだ。
建設局の24年度当初予算案によると、一般会計の計上額は前年度比2・4%増の6365億5800万円で、うち投資的経費に1・9%増の5500億3700万円を配分する。一般会計計上額の費目別内訳は▽土木管理費=254億6900万円(3・9%増)▽道路橋梁費=3990億1600万円(0・4%減)▽河川海岸費=1254億4200万円(2・7%増)▽公園霊園費=866億3100万円(16・3%増)―となっている。また、用地会計に57億1000万円(19・7%減)を計上する。
一般会計で新たに設定する債務負担行為の費目別件数と限度額は▽土木管理費=6件、18億7700万円(1件減、0・2%減)▽道路橋梁費=25件、1088億6000万円(1件増、43・9%増)▽河川海岸費=30件、2255億0900万円(8件増、349・7%増)▽公園霊園費=8件、183億6100万円(件数同、7・6%増)―を見込む。件数の4割以上、限度額の6割以上を河川海岸費が占めている。
都議会への契約案付議などを想定する主な工事を見ると、河川関連では「石神井上流地下調節池工事」として、24〜31年度の8カ年で地下トンネルのシールド工事と発進立坑工事、到達立坑工事を行う。限度額(25〜31年度)は769億5000万円。「詳細設計(その3)」を建設技術研究所(中央区)が25年2月末までの履行期限で担当している他、発進立坑側の準備工事を東武緑地(杉並区)が施工中だ。
また、「城北公園調節池(二期)工事」で24〜36年度の13カ年をかけて準備工事と地下箱式の躯体工事を行う。限度額(25〜36年度)は549億円。「詳細設計(その2)」を6月末までの履行期限でパシフィックコンサルタンツ(千代田区)が手掛けている。
道路関連では「都道19号線(尾根幹3工区)整備工事(その2)」と題し、24〜29年度の6カ年で南多摩尾根幹線・稲城多摩トンネルの本体築造工事を実施する。限度額(25〜29年度)は351億円となっている。
公園関連では「日比谷公園再整備第2期工事」を挙げた。24〜25年度の2カ年で施設整備工事や設備工事、小音楽堂の改修工事などを行う。限度額(25年度)は40億9900万円。2月16日に建築工事の一般競争入札を再公告した青山葬儀所の建て替えについては、設備工事や外構工事などを含め限度額(25年度)を24億4200万円としている。
提供:建通新聞社