東京都は新宿合同庁舎(新宿区)を現地改築する。主税局と新宿区、東京消防庁の機能が入る延べ床面積約1万1000平方bの新庁舎建設を計画しており、2024年度の当初予算で4000万円を確保して基本設計に着手する予定だ。25年度からの実施設計を経て、27〜31年度の5カ年で既存庁舎の解体工事や新庁舎の建設工事を進める見通し。総事業費約85億円を見込む。
新宿合同庁舎の所在地は新宿区西新宿7ノ5ノ8。面積2805平方bの敷地に、鉄筋コンクリート造地下1階地上6階建ての本館(1971年完成)と鉄骨造3階建ての別館(87年完成)の2棟が立っている。
総延べ床面積は6064平方b。過半に主税局の新宿都税事務所(延べ床面積4331平方b)が、本館の1〜2階には新宿区の健康部分室(同1733平方b)が入居している。
老朽化が進んでいるため、今の入居機能を民間ビルなどに仮移転した上で、既存の2棟を取り壊して新庁舎を建てる方針だ。
新庁舎の計画延べ床面積は1万1252平方b。新宿都税事務所と新宿区健康部分室が再入居する他、東京消防庁の救急機動部隊新宿拠点と新宿消防署予防課防火安全対策係の入居スペースを用意する考え。
現地の用途地域は商業地域で、建ぺい率80%、容積率600%。防火地域に指定されている。
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新宿合同庁舎の改築は、都の「第三次主要施設10か年維持更新計画」(2022年3月、財務局策定)に、新宿都税事務所の名目で22〜24年度に基本設計に着手する「第1期計画施設」の一つとして位置付けられている。都は社会計画総合研究所(渋谷区)への業務委託や新宿区との協議を通じ、23年3月に基本計画を策定。これを踏まえ、同年7月に区と「新庁舎建設事業に関する基本協定」を結んだ。
都が▽測量▽設計▽既存庁舎の解体・監理▽新庁舎の建設・監理▽外構工事・監理―を担当し、区が専有床面積に応じた額を都に支払う。敷地の利用については都と区の間で定期借地権設定契約を結ぶことになっている。
提供:建通新聞社