東京都は2月2日、都心部・臨海地域地下鉄の事業化の検討に、鉄道・運輸機構(JRTT)が整備主体、りんかい線を運営する東京臨海高速鉄道(TWR)が営業主体のそれぞれ予定者として参画することを明らかにした。事業計画の具体化に向けて1月31日付で両者と合意。東京〜有明の約6・1`区間に7駅を設けて都心部と臨海部をつなぐ基幹的な交通基盤とする他、JR東日本が構想する羽田空港アクセス線・臨海部ルートへの接続も見据えている。2040年までの実現を目指す。
都心部・臨海地域地下鉄を巡っては、都と国、学識経験者などで構成する検討委員会が22年11月に事業計画案を公表した。
それによると、東京〜有明の約6・1`区間に▽東京▽新銀座▽新築地▽勝どき▽晴海▽豊洲市場▽有明・東京ビッグサイト―の7駅(いずれも仮称)を置く路線を想定している。概算事業費は税込み約4200億〜5100億円と推計。今後、この案をベースに都、JRTT、TWRの3者で詳細を詰める。
都は事業の深度化を図るため、24年度当初予算に3億円を計上するとともに、限度額4億3400万円の債務負担行為を設定して事業計画を具体化する方針だ。また、沿線の基盤整備やまちづくりとの連携に関する調査も実施するため、新規に5300万円の経費を確保する考え。
小池百合子知事は2日の定例会見で、「臨海部は世界から人と投資を呼び込む大いなるポテンシャルを持つエリア」などと述べて、都心部・臨海地域地下鉄を整備する意義を強調。築地市場跡地の再開発をはじめとする沿線まちづくりにも言及しながら、「早期の事業化に向けて取り組む」と意欲を見せた。
提供:建通新聞社