国土交通省関東地方整備局は中川大橋(葛飾区)のECI方式による耐震補強・補修で、工事に先立つ技術協力業務を奥村組と契約した。3月15日を期限とする業務の履行と並行して工事の価格交渉を進め、成立すれば3月中に同社と随意契約を結んで工事を始めてもらう。2026年3月末の工事完了を目指す。
中川大橋は葛飾区青戸〜新宿の中川渡河部に架かる国道6号の橋梁。橋長134・4b、幅員30・8bの鋼3径間連続鋼床版箱桁橋で、1989年に完成した。下部工の耐震補強、上部工の耐震補強、橋梁補修を同一工事で実施する計画だ。
交通量が多い国道6号への影響を最小限に抑えつつ、渇水期に合わせて橋脚を補強しなければならない。また、大規模な仮設工が想定される中で作業ヤードになる桁下空間が狭く、工事用道路の確保も難しい。
このためECI方式(技術交渉・施工タイプ)の採用を決め、2023年8月からの公募型プロポーザル手続きで奥村組を工事の優先交渉権者に選定。同年10月に技術協力業務の基本協定を結び、パシフィックコンサルタンツ(千代田区)が手掛ける詳細設計に施工者のノウハウを反映してもらっていた。プロポーザルには5者が参加した。
24年1月に基本協定を契約に切り替えることとし、29日に1906万3000円で契約。2月5日まで施工計画の作成や積算などの一部を任せた後、3月15日の業務の履行期限までに工事の価格交渉を行う。
関東地整はまた、国道4号の毛長堀橋と側道橋(埼玉県草加市)の耐震補強にもECI方式を採用。2月中に簡易公募型競争入札(総合評価方式)で詳細設計の委託先を決めるとともに、3月中旬からの簡易公募型プロポーザル手続きで工事の優先交渉権者を選ぶことにしている。
提供:建通新聞社