東京都の2024年度予算編成に向けた各局からの要求では、福祉局が施設整備費に364億円を要求し、多摩地域3カ所への児童相談所の新設や北療育医療センターの整備に伴う基本計画策定に必要な費用を求めた。産業労働局は東京国際展示場や東京国際フォーラムの改修工事に債務負担行為を設定するとした。生活文化スポーツ局は文化施設の改修などに約303億円を割く。保健医療局は施設整備費に約174億円を求めた。
《福祉局=施設整備費364億4600万円》
福祉局は一般会計の総額を23年度比0・4%増の1兆0690億5000万円と見積もった中で、施設整備費に364億4600万円を要求。新規の個別事業では、多摩地域の「町田」と「西多摩」「多摩中部」の各エリアへ児童相談所を新設するための基本計画策定に4300万円を充てる。ダイス設計(渋谷区)で適地調査を進めている。
また、「北療育医療センター施設整備基本計画作成支援」で2600万円を確保する。20年度の方針検討に引き続き、施設規模などの検討業務を横河建築設計事務(品川区)に委託中だ。
この他、小山児童学園や八王子児童相談所(一時保護所)の改築に伴う基本設計を継続するための費用も盛り込んだ。特別養護老人ホームや児童養護施設、障害者(児)施設などの社会福祉施設の整備費補助を引き続き実施するため、308億3800万円を計上した。
《産業労働局=東京国際展示場などで債務負担》
産業労働局の一般会計要求額は7343億4427万円(23年度比9・2%増)。施設整備関連の新たな債務負担行為も設定し、複数年にわたる工事や設計の前提を整える。
主な施設整備関連の新たな債務負担行為と限度額は、▽東京国際展示場改修工事(25〜26年度)=123億9386万円▽東京国際フォーラム改修工事(25年度)=1億9814万円▽就農準備支援施設(仮称)整備工事(25年度)=5億6200万円▽多様な担い手育成支援施設(仮称)整備工事(25年度)=3億3920万円▽島しょ農林水産総合センター八丈事業所改築工事(25〜27年度)=4億5677万円▽中央・城北職業能力開発センター赤羽校改築工事(25〜30年度)=26億5899万円▽治山工事(25年度)=2億2521万円▽小笠原水産センター改築工事(25年度)=3億7522万円▽東京都栽培漁業センター改築工事設計(25年度)=1億3433万円▽農林総合研究センター江戸川庁舎改築工事基本設計(25年度)=1775万円―などとなっている。
《生活文化スポーツ局=文化施設改修等303億円》
生活文化スポーツ局の一般会計要求総額は、23年度比11・3%増の3102億8800万円。歳出では生活文化スポーツ費に50%増の893億7152万円を計上したうち、文化振興費に159・4%増の459億4949万円を割く。江戸東京博物館の大規模改修をはじめとする文化施設の改修・維持補修で303億8485万円を見積もった。
スポーツ施設費には23・4%増の163億2307万円を計上。体育施設などの大規模改修や維持補修に100億2629万円を充てる。
この他、公衆浴場でクリーンエネルギー化や既設ガス燃料設備の更新、照明LED化などを行うための公衆浴場対策に7億4161万円を求めた。
《保健医療局=施設整備費174億9400万円》
保健医療局は一般会計の総額で23年度比6・4%増の5003億7700万円を見積もり、施設整備費として174億9400万円を確保したい考え。新規に「旧板橋看護専門学校解体工事」に向けた実施設計の委託費など3800万円を計上。「広尾看護専門学校改築工事」では新校舎の基本設計や仮設校舎の整備工事を行うため、2億9400万円を充てる。
医療施設の耐震化や設備導入などに関する医療施設等整備助成費には157億6800万円を求めた。
提供:建通新聞社