東京都は12月4日の事業評価委員会(委員長・内山久雄東京理科大学教授)に四つの連続立体交差事業に関わる再評価を諮った。その中でJR南武線・谷保駅〜立川駅間について2026年度の都市計画決定と28年度の事業認可を予定していることを明らかにした他、西武新宿線・井荻駅〜西武柳沢駅間の事業認可を23年度中に得て37年度の完了を目指すと説明。西武新宿線・野方駅〜井荻駅付近の検討状況や、東武東上本線・大山駅付近の進捗状況も示し、全ての事業を継続することについて了承を得た。
JR南武線・谷保駅〜立川駅間(国立市谷保〜立川市錦町1丁目)は約3・7`を高架化することにより、19カ所の踏切を除却または廃止する。高架化に併せ、交差する都市計画道路の都市計画変更手続きや事業化準備が進んでいる他、区間内の矢川駅と西国立駅に駅前広場を整備する地元自治体の事業も予定されている。
8月に都市計画素案説明会を開催。これに続いて25年度に都市計画案と環境影響評価書案の説明会を開いた上で、26年度の都市計画決定と28年度の事業認可につなげる方針だ。事業着手から13年間での完了を見込む。
西武新宿線・井荻駅〜西武柳沢駅間(杉並区上井草1丁目〜西東京市東伏見1丁目)は約5・1`を高架化して19カ所の踏切を除却する。高架化に併せ、交差する都市計画道路の事業化準備や用地測量、用地取得が進行中。区間内の上井草駅、上石神井駅、武蔵関駅、東伏見駅を対象に駅前広場の整備・再整備などを行う地元自治体の事業も予定されている。
21年度の都市計画決定を経て、22年8月に用地測量等説明会を開催。現在は用地測量を行うとともに、23年度中の事業認可に向けて国と最終調整中だ。
西武新宿線・野方駅〜井荻駅付近(中野区野方〜杉並区下井草)は約3・1`区間の鉄道を立体化して13カ所の踏切を除却する。構造形式や施工方法などの検討を進めている他、地元自治体も駅周辺の基盤施設計画などを検討している。
東武東上本線・大山駅付近(板橋区板橋2丁目〜仲町)は約1・6`を高架化して8カ所の踏切を除却する。21年度に事業認可を受け、全体事業費427億5500万円のうち1・9%を執行した。用地取得率は0%で、工事も未着手。引き続き用地取得に向けた折衝と仮付け替え道路工事に伴う借地の調整を進める。30年度の事業完了を予定している。
提供:建通新聞社